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岩波新書 新赤版 1761

日本をどのような国にするか

地球と世界の大問題

著:丹羽 宇一郎

紙版

内容紹介

トランプVS習近平の貿易戦争のゆくえは? 地球温暖化、巨大地震など迫りくる自然災害の脅威にどう立ち向かうか。AIが人間の仕事を奪うというのは本当か? 日本を取り巻くこれらの問題群とどう向き合い、国の立ち位置をどこに求めたらよいか。元中国大使・伊藤忠商事会長の著者が専門家と議論しながら考える。
?対論者=竹本和彦・林春男・西垣通

目次

 はじめに

Ⅰ 劣化するリーダーたち

 第一章 混迷する世界
  何が真実で何が噓なのか
  広がる不信感
  「トゥキディデスの罠」
  トランプの貿易戦争をどう見るか
  ココムの再来
  インフレによる世界恐慌の恐怖
  中国の現状
  共産党優位の政治はいつまで続くか
  中国がアメリカに追いつけない理由

 第二章 官僚組織・企業経営者の問題点
  官僚が絶対にやらないこと
  定義の曖昧さと日本社会
  現在の日本xの企業社会の問題点
  かえって膨れ上がる役員報酬
  ゴーン氏逮捕に思う

Ⅱ 地球と世界の大問題を考える──専門家との対話

 第三章 地球温暖化問題はどうなるか
   ── 対談・竹本和彦(国連大学サステイナビリティ高等研究所所長)
  温暖化の仕組み
  人口増加がもたらす影響
  気温が一度上がるとどうなるか
  生物への影響
  吸収力の弱い森林もある
  ウシのげっぷとメタンガス
  人類はどこまで経済発展可能か

 第四章 地震予知・対策はどこまで可能か
   ── 対談・林春男(国立研究開発法人防災科学技術研究所理事長)
  地震が起こるメカニズム
  予知と長期予測
  南海トラフ地震が起こるとされている理由
  南海トラフ地震の規模はどれくらいか
  活断層タイプの地震は予測が難しい
  南海トラフ地震の前震
  どう対策するか
  防災省は必要か
  情報の共有とフェイス・トゥ・フェイス
  時代によって変わる危機管理のイメージ
  西日本豪雨の教訓
  防災対策にサイエンスを

 第五章 AIは私たちの社会をどこまで変えうるか
   ──対談・西垣通(東京大学名誉教授)
  AIブーム前史
  パターン認識とディープラーニング
  ヘイトスピーチを喋るAI
  AIの限界
  AIは神か
  AIのDNA?
  AIと人間
  AIの限界
  人間の補助としてのAI
  AIの使い道

Ⅲ 日本という国のかたち

 第六章 日本の国是を考える
  なぜ,日本の国是を問題にするか
  自然現象をめぐる問題と経済
  氷河期の到来(?)と温暖化
  自然環境と安全保障
  世界の人口増加がもたらすインパクト
  水をめぐる問題
  平和と自由貿易
  田中角栄の言葉
  憲法について
  アジアと世界の平和のために
  漁業権と資源の共同開発
  北朝鮮問題のゆくえ
  日本外交の多元連立方程式

 第七章 そして, 畏怖(おそれ)を忘れた私たちはどう生きるか
  日本の技術力をどう高めていくか
  縦型社会を壊せ
  オープン・テクノロジーの時代
  世界の企業がリベラルアーツを必要とするようになった
  全日本のプラットフォームをつくれ
  どうやって人を育てるか
  AIは人間を超えるか
  経営者の要諦とは
  後継者を育てるには
  新入社員はどう仕事をしたらよいか
  途中であきらめるな
  人生の目標とは
  自分の場合
  最後に── 一歩前に踏み出そう

 おわりに

著者略歴

著:丹羽 宇一郎
丹羽宇一郎(にわ ういちろう)
元伊藤忠商事株式会社会長,元中華人民共和国特命全権大使.1939年,愛知県に生まれる.名古屋大学法学部卒業,伊藤忠商事入社.1998年,同社社長,2004年,同社会長に就任.内閣府経済財政諮問会議議員,内閣府地方分権改革推進委員会委員長,日本郵政取締役,国際連合世界食糧計画(WFP)協会会長などを歴任し,2010年,駐中国大使に就任.現在,公益社団法人日本中国友好協会会長,早稲田大学特命教授,福井県立大学客員教授,伊藤忠商事名誉理事.『人は仕事で磨かれる』(文藝春秋),『死ぬほど読書』(幻冬舎新書),『戦争の大問題』(東洋経済新報社),『人類と地球の大問題』(PHP新書)など著作多数.

ISBN:9784004317616
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:176ページ
定価:760円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB