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岩波新書

〈いのち〉とがん

患者となって考えたこと

著:坂井 律子

紙版

内容紹介

“絶体絶命”の状況を人はいかに生き得るのか。突然の膵臓がん宣告、生きるための治療選択、届かぬ患者の声、死の恐怖。患者となって初めて実感した〈いのち〉の問題を、赤裸々に真摯に哲学した「がん時代」、未来への提言。

目次

はじめに

序 治療――突然がん患者になった私
 1 ジェットコースターの始まり
 2 「頭が真っ白」にはならず
 3 転院の決断
 4 主治医との出会い
 5 手術はゴールではない

Ⅰ 学ぶ――患者としての好奇心
 1 主治医によるインフォームドコンセント
 2 医療の進歩を実感する
 3 新薬と「勇敢な患者」
 4 「集学的治療」とアポロ

Ⅱ 直面――患者の声は届いているか
 1 抗がん剤への恐怖と感謝
 2 毒と副作用を引き受ける
 3 何を食べたらいいのか――食べることは生きること
 4 「転移」の中で思い出した三つの物語
 5 “隠喩としての病”にたじろがないために
 6 がん患者の「心を支える」仕組みとは
 7 「相談の場」と「治療の場」

Ⅲ いのち――ずっと考えてきたこと
 1 遺伝子検査を受けて突きつけられたこと
 2 爆走する検査技術
 [コラム] 命に序列をつけることへの誘惑
 3 いのちの尊さとは何だろうか

Ⅳ 今――生きてきたように闘病する
 1 再手術にチャレンジする
 2 最後の「異任地異動」
 3 死の受容の噓っぽさ

生きるための言葉を探して――あとがきにかえて


付 透き通ってゆく卵

著者略歴

著:坂井 律子
坂井律子(さかい りつこ)
1960年生まれ.85年に東京大学文学部卒業後,NHK入局.札幌放送局,東京の番組制作局のディレクター,プロデューサーとして,福祉,医療,教育などの番組に携わる.NHK放送文化研究所主任研究員などを経て,制作局青少年・教育番組部専任部長.2014年6月より山口放送局長,2016年4月より編成局主幹(総合テレビ編集長)を務める.著書に『ルポルタージュ 出生前診断』(NHK出版),『つくられる命』(共著,NHK出版),『身体をめぐるレッスン4 交錯する身体』(共著,岩波書店),『いのちを選ぶ社会出生前診断のいま』(NHK出版),『出生前診 断受ける受けない誰が決めるの?』(共編著,生活書院)ほかがある.

ISBN:9784004317593
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:254ページ
定価:880円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD