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岩波新書 新赤版1621

ルポ 貧困女子

著:飯島 裕子

紙版

目次

序章 女性の貧困とは?
 貧困女子の登場!?
 男性非正規インパクトの陰で
 つかみにくい女性の貧困
 貧困にすらなれない女性
 男性稼ぎ主モデル
 女性活躍推進と若年女性
 インタビュー概要

1章 家族という危ういセーフティネット
 実家でしか暮らせない
 パラサイト・シングルの凋落
 実家は針のむしろ
 暴力から逃げ出して
 街を彷徨うホームレス女子
 家庭に居場所がない
 関係性の貧困/同棲の落とし穴

2章 家事手伝いに潜む闇
 中退を引き金に接点を失う
 ニート・ひきこもりは男性ばかり!?
 家族も無関心
 父の死で暗転
 就労以前からの困難
 ガールズ講座
 さいたまでの取り組み

3章 正社員でも厳しい
 倒れるまで働く女性たち
 新人を使い潰すブラック企業
 滑り台で一直線に
 家賃を払うためデリヘルへ
 増加する精神障害とイジメ
 余裕のない職場で
 障害者枠で働く
 正社員にはなったけれど

4章 非正規という負の連鎖
 学歴と非正規雇用率
 高卒女性の困難
 中退はさらに厳しい
 高学歴ワーキングプア
 官製ワーキングプア
 果てしない求職活動
 繫がる場をつくる
 突然の病気と非正規シングル
 非正規雇用の闇

5章 結婚・出産プレッシャー
 子どもが欲しい
 「おひとりさま」の登場
 「負け犬」にすらなれない
 無縁社会、震災、絆
 一億総活躍社会の目指す“子育て支援”
 優等生でなかった妹が今は女として上
 全方位的少子化対策
 無理にでも産んでおけば良かった
 非正規は婚活でも不利に
 貧困女子でも産む
 極端に低い婚外子出生率
 少子化という大義名分

6章 女性の分断
 キャリア、夫、子ども、何もない
 分断の一九八五年
 一般職削減がもたらしたもの
 女性活躍推進の光と影
 産みかつ働き続ける女性たち
 募る孤立感
 存在しないもの
 上方へ押し上げる圧力
 頻発するメンタル系トラブル
 分断を超えて繫がるには

終章 一筋の光を求めて
 「プア充」に潜む罠
 貧困とは何か?
 労働への包摂と脱労働
 家族による包摂と脱家族
 「男性稼ぎ主モデル」の崩壊と意識のズレ
 貧困女子を超えて

 あとがき

著者略歴

著:飯島 裕子
飯島裕子 (いいじまゆうこ)
東京都生まれ.ノンフィクションライター.一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了.大学卒業後,専門紙記者,雑誌編集を経てフリーランスに.人物インタビュー,ルポルタージュを中心に『ビッグイシュー日本版』『婦人公論』等で取材・執筆を行っているほか,大学で非常勤講師を務めている.著書に『ルポ若者ホームレス』(ちくま新書,2011年),インタビュー集に『99人の小さな転機のつくりかた』(『ビッグイシュー日本版』編集部編,大和書房,2010年)等がある.

ISBN:9784004316213
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:820円(本体)
発行年月日:2016年09月
発売日:2016年09月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS