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岩波新書 新赤版1573

〈文化〉を捉え直す

カルチュラル・セキュリティの発想

著:渡辺 靖

紙版

目次

はしがき──「文化」は、いま

第一章 グローバリゼーションは「文化」を殺す?
 1 スーパーモダン
 2 ポストモダン
 3 肯定派と否定派
 4 保守派とリベラル派内部の不協和音
 5 ナショナルな次元の重要性
 6 重層的なガバナンス
 7 グローカリゼーション
 スローフード/創作エイサー/先住民族
 8 搾取される「伝統文化」
 9 ハイリスク・ハイリターンの皮肉
 10 「われわれはみんなペストの中にいるのだ」

第二章 台頭する「人間の安全保障」という視点
 1 格差の再編成
 2 新自由主義の論理と力学
 オーディット文化/消費者至上主義/市場化される精神性と身体性/ 〈帝国〉の権力とネットワーク
 3 「人間の安全保障」
 4 セーフティーネットとしての文化
 5 教育の挑戦
 6 製品の可能性
 7 言語という権利
 8 方便としての文化
 9 文化相対主義の陥穽

第三章 ソフトパワーをめぐる競合
 1 ソフトパワーをめぐる狂想曲
 文化の地政学/ソフトパワーとしての「人間の安全保障」
 2 パブリック・ディプロマシーの時代
 3 「対外発信強化」の陥穽
 4 道義的な高潔さ
 5 「支配」から「支援」へ
 6 グローバル・シビリアン・パワー

第四章 新しい担い手たち
 1 政策的価値は「不純」か?
 2 ガバナンスの新たな潮流
 3 米国モデルの優位性
 4 創発的な試み
 5 日本が直面する課題
 評価や測定は可能か

第五章 理論と政策の狭間で
 1 「離見の見」
 2 構築主義
 3 境界線への眼差し
 4 境界線を編み直す
 芸術という試み/市場という試み/政治という試み/外交という試み/リベラル・アーツという試み/文化人類学という試み
 5 「文化」を語れなくなった時代
 6 一九九〇年代の米国の経験
 7 新たな問い

おわりに──「文化」の未来
あとがき──ピーボディ四六号室

ISBN:9784004315735
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:780円(本体)
発行年月日:2015年11月
発売日:2015年11月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS