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岩波新書 新赤版1338

就職とは何か

〈まともな働き方〉の条件

著:森岡 孝二

紙版

目次

はじめに

第1章 就職氷河期から新氷河期へ
 大学生の就活スケジュール/筆記試験で試されるパーソナリティ/増える就活うつと就活自殺/若者の高い失業率と若年産業予備軍/過去最悪の内定率とその読み方/大卒者の進路の内訳と就職率の長期的推移/長期不況と波状的リストラ

第2章 就活ビジネスとルールなき新卒採用
 栄える就活ビジネスと説明会ツアー/保護者を巻き込むいまどきの就職活動/見直しが迫られるインターンシップ/定期採用という日本独特の制度/就職協定の紆余曲折/自粛とは名ばかりの倫理憲章/日本学術会議の問題提起/経済界の大勢は早期化是正に向かう/動き始めた大学団体と問われる日本経団連

第3章 雇われて働くということ
 学生の企業選択の建前と本音/初任給とは何だろう/雇用とは何だろう/パート社員が増えて「正社員」が生まれた/労働組合はダサくない/派遣労働について知っておこう

第4章 時間に縛られて働くということ
 見かけの時短はすすんだが、正社員はいまも働きすぎ/あなたは年休を何日取りますか/社会人基礎力とは残業実行力のことか/増える若者の過労自殺/外食産業で起きた新入社員の過労死/三六協定について知っておこう

第5章 就職に求められる力と働き方
 就職部がキャリアセンターになった/小学校からのキャリア教育/企業は採用選考で何を重視しているか/仕事に必要なハードのスキルとソフトのスキル/社員の常識が会社を救う/賢くいきいき働くための労働知識/雇い主に対抗するための組織/内定取消は解雇にあたる/働き方をめぐる三つの神話

終 章 〈まともな働き方〉を実現するために
 〈まともな働き方〉を求めて/働き方はなぜ改善されないのか/過重労働の防止に有効な規制を/政治は何をなすべきか/〈まともな働き方〉の四条件/解決の糸口はワークシェアリング

あとがき
主要参考文献

著者略歴

著:森岡 孝二
森岡孝二 (もりおかこうじ)
1944年大分県生まれ.
香川大学経済学部卒業.経済学博士.69年,京都大学大学院博士課程退学,83年,関西大学経済学部教授,現在に至る.
専門は企業社会論,労働時間論.
株主オンブズマン代表.大阪過労死問題連絡会会長.働き方ネット大阪会長.
著書─『企業中心社会の時間構造』(青木書店)
   『日本経済の選択』
   『強欲資本主義の時代とその終焉』(以上,桜井書店)
   『働きすぎの時代』(岩波新書)
   『貧困化するホワイトカラー』(ちくま新書)
   など多数.

ISBN:9784004313380
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:780円(本体)
発行年月日:2011年11月
発売日:2011年11月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF