岩波新書 新赤版1234
思い出袋
著:鶴見 俊輔
目次
一 はりまぜ帖
記憶の中の老人
学校という階梯
状況からまなぶ
戦中の杖
ミス・マープルの方法
途中下車
さかさ屛風
選集の編者
映画の寿命
その声がとどく
小さい新聞
集まったものの行方
二 ぼんやりした記憶
駆けくらべ
つたわる・つたわらない
あふれ出るもの
ピンでとめられるか
わかれ道のあるままに
オール・タイム・ベスト
かわらぬものさし
ゆっくりからはじまる
政治史の文脈
はみだしについて
犀のように歩め
ポーの逆まわし
三 自分用の索引
記憶を編みなおす
あだ名からはじめて
弔辞
知られない努力
あだ名
反動の思想
先祖さがし
親しくなる友人
夏休みが終わって
自著自注
内部に住みつく外部
悲しい結末
四 使わなかった言葉
言葉は使いよう
人語を越える夢
誇りという言葉
金鶴泳「凍える口」と日本
夢で出会う言葉
言葉のうしろにある言葉
「もし」が禁じられるとき
自分の中の知らない言葉
翻訳のすきま
言葉にあらわれる洞察
耳順
不在のままはたらく言語
五 そのとき
彼は足をふみだした
ふたつの事件
大きくつかむ力
一九〇四年の非戦論
はじまりの一滴
雑談の役割
内面の小劇場
できなかった問題
日本教育史外伝
米国とぎれとぎれ
見えない蒐集
自分を保つ道
六 戦中の日々
うわさの中で育つ
途中点
記憶の中で育つ
なぜ交換船にのったか
私の求めるもの
脱走の夢
戦記を読む
「トゥーランドット姫」
「大東亜戦争」はどこにあったか
歴史の影
おたがい
私のドイツ語
七 アメリカ 内と外から
暴風の夜
火星からの侵入
マイ・アメリカン・ファミリー
日米開戦
体験から読み直す
岩の上の読みきかせ
子のたまわく
メキシコから米国を見る
古代の王国
対話をかわす場所
国家群としての世界の中で
もてあそばれた人間
書ききれなかったこと──結びにかえて
あとがき