岩波文庫 緑221-2
破れた繭 耳の物語 1
著:開高 健
紙版
内容紹介
甲高い少女の叫び声、ネズミ花火の炸裂音、空襲警報、戦争が終わったあとの、静穏と澄明――。耳底に刻まれた〈音〉の記憶をたよりに、人生の来し方を一人称〈私〉ぬきの文体で描く自伝的長篇『耳の物語』二部作の前篇。繊細な主人公が繭の中でふるえながら成年に達するまでの青春時代を、隠喩に満ちた彫心鏤骨の文章で綴る。
目次
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破れた繭