出版社を探す

承認をひらく

新・人権宣言

著:暉峻 淑子

紙版

内容紹介

民主主義社会とは「個人の尊厳から出発し、人間らしい生活ができないような貧困・排除があってはならない社会」である。その実現のために、今こそ社会的相互承認と社会参加が求められる。あるべき「承認」の本質とは何か。ロングセラー『豊かさとは何か』以来、民主主義の核心を真摯に問い続けてきた著者の到達点。

目次

 はじめに

第一章 人生をかけた承認欲求の葛藤
 1 痩せ願望と社会の承認基準
 2 エリートたちはなぜ犯罪者に転落するのか
 3 承認願望と喪失の恐怖
 4 相互承認に出会うよろこび
 5 叱られたくない、褒められたい一心で……

第二章 社会的承認から排除された人びと
 1 彼を凶行に追い詰めたのは
 2 親子の承認欲求と競争社会

第三章 「承認」という新しい概念がなぜ必要か
 1 貧困と承認拒否という二つの病根
 2 生活保護と個人の尊厳
 3 論争! 再分配か承認か

第四章 社会参加のない民主主義はない
 理論編 「誤った承認」の背後にあるもの
  1 社会参加の欠如した民主主義は可能か
  2 なぜ社会参加に関する意識が低いのか
  3 『母の大罪』で問われたこととは何だったのか

 実践編 隠すことで守るのか、ひらくことで守るのか
  4 社会的排除から包摂へ
  5 教育における承認基準と登校拒否児の訴え

第五章 私たちの生活と公的な承認
 1 国家の承認と国民の権利
 2 公的承認に対する要望や批判――勉強会での発言から

 おわりに

著者略歴

著:暉峻 淑子
暉峻淑子(てるおか・いつこ)
1928年生まれ.経済学者.
日本女子大学文学部卒業.
法政大学大学院社会科学研究科経済学専攻博士課程修了.経済学博士.
日本女子大学教授,ベルリン自由大学,ウィーン大学の客員教授などを経て,埼玉大学名誉教授.
NGO/NPO法人国際市民ネットワーク代表.「対話的研究会」主宰.
著書―『豊かさとは何か』『豊かさの条件』『社会人の生き方』『対話する社会へ』(以上,岩波新書),『ほんとうの豊かさとは――生活者の社会へ』『格差社会をこえて』(以上,岩波ブックレット),『サンタクロースってほんとにいるの?』(福音館書店),『ゆとりの経済』(東洋経済新報社),『豊かさへ もうひとつの道』(かもがわ出版),Nippons Neue Frauen(日本の新しい女性)(共著,Rowohlt Verlage)ほか.

ISBN:9784000616362
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:264ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2024年04月
発売日:2024年04月06日