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家なき人のとなりで見る社会

著:小林 美穂子

紙版

内容紹介

弱い立場の人たちを直撃したコロナ禍から3年、状況は変わったか? 最後の砦であるはずの福祉行政は多くの人の命と生活を守るようになったか? 「お前は本当の貧困者じゃない」バッシング、人は怒りの方向を間違えていないか? 獅子奮迅の支援日記『コロナ禍の東京を駆ける』の著者が描く、苦闘と希望ないまぜの日々。

目次

 はじめに──日本は「美しい豊かな国」ではなかったの!?

第1章 2021年コロナ禍日記
 1 全力疾走の2020年、そのまま走り続ける2021年のあゝ無情
 2 神奈川区の水際――申請書持参の女性に「申請意思なし」の衝撃
 3 カフェ1年ぶりに再開――コロナ前と変わったこと、変わらなかったこと
 4 公助さん、出番です! 官民が協働したフードパントリーの報告@中野
 5 差別、優生思想に居場所はない!――DaiGoへの批判は集団リンチなのか
 6 中野区生活保護課の庁外移転計画と差別について

第2章 不毛の極み「扶養照会」問題
 1 百害あって一利なし、生活保護申請に伴うムダ作業「扶養照会」の弊害
 2 命を守るため、扶養照会の無効化を
 3 朗報! 扶養照会は止められる!
 4 運用改善後も相次ぐ相談。照会したがる福祉事務所の言い分を検証する
 5 透明な存在――ネットカフェ生活15年の男性から見た社会

第3章 まだ続くのかコロナ禍日記
 1 カップラーメン炎上が語るもの、バッシングにかき消された本意
 2 生活保護打ち切り取り消し裁判――祖父は意を決して“熊本県”と対峙!
 3 「中高年シングル女性の生活状況実態調査」報告書から聞こえる悲鳴
 4 震災支援ネットワーク埼玉で起きた性暴力、その対応がダメなわけ

第4章 共存共生を目指して――生活困窮する外国人
 1 帰りたくても帰れない「仮放免者の生き地獄」
 2 僕が生きられる場所を探して
 3 難民・移民フェスで見た夢
 4 差別・排外主義に抗う市民たちが見せる希望

 おわりに──粗末に扱っていい命?

著者略歴

著:小林 美穂子
小林美穂子(こばやし みほこ)
1968年生まれ.つくろい東京ファンドスタッフ.支援を受けた人たちの居場所兼就労の場として設立された「カフェ潮の路」のコーディネーター.幼少期をアフリカ,インドネシアで過ごし,長じてニュージーランド,マレーシアで就労.上海では4年半,最年長学生として世界各国から集まった若い同級生たちと楽しく学び,遊ぶ.2匹の猫と庭先の木々が癒し.植物が異様に育つ不思議な家に住んでいる.著書に『コロナ禍の東京を駆ける─緊急事態宣言下の困窮者支援日記』(共著,岩波書店).本書の元になったウェブ連載「家なき人のとなりで見る社会」はマガジン9で好評連載中.
つくろい東京ファンド https://tsukuroi.tokyo

ISBN:9784000616249
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:190ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2023年12月
発売日:2023年12月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS