京都古典文学めぐり
都人の四季と暮らし
著:荒木 浩
内容紹介
京都の地名や寺社を手がかりに、古典文学の舞台を尋ねる。古典本文とわかりやすい現代語訳、解説的なエッセイ、絵巻などの図像から導かれるのは、鴨長明、紫式部、藤原道長、清少納言など、お馴染みの都人たちの移ろいゆく人生と四季の彩り。知っているつもりの作品の魅力を、より深く味わえる、古典文学案内の決定版!
目次
はじめに
本書の概要と凡例
京都文学地図
序 章 京都の古典文学――二つのはじまり
1 鴨長明という案内人――日野の方丈石(『方丈記』)
2 物語の祖先から――小倉山(『竹取物語』)
第Ⅰ章 都の四季のいろどり
1 桜の花ざかり――水無瀬、交野、渚の院(『伊勢物語』)
2 山の桜のころ――鞍馬寺(『源氏物語』)
3 枯れたる葵――一条大路(『徒然草』)
4 暑さをわびて――五条の道祖神(『宇治拾遺物語』)
5 盗みをせんと京に上る――羅城門(『今昔物語集』)
6 面白き月の夜に――高安(『古今和歌集』)
7 晩秋の運命の出会い――山科(『今昔物語集』)
8 菊から紅葉へ――河原院(『伊勢物語』)
9 賀茂の臨時の祭――上賀茂神社(『枕草子』)
10 東国からの上洛――三条の宮(『更級日記』)
11 年のなごり――都大路(『徒然草』)
第Ⅱ章 移ろいゆく人生と季節
1 初午大祭の出会いと願い――伏見稲荷(『枕草子』)
2 春霞のなかの面影――浦島神社(『万葉集』)
3 政変の悲哀と春の終わり――石山寺(『蜻蛉日記』)
4 初夏の出会いと新たな恋――誠心院(『和泉式部日記』)
5 文の途絶えと終に行く道――業平終焉の地(『大和物語』)
6 晩夏の陰謀と天皇――花山寺(『大鏡』)
7 紅葉の舞と青海波――朱雀院跡(『源氏物語』)
8 管絃の舟の紅葉狩り――大堰川(『大鏡』)
9 神無月の夜の道長――土御門邸(『続古事談』)
10 ある冬の日の若紫――廬山寺(『紫式部日記』)
11 年の移りと光源氏――清凉寺(『源氏物語』)
第Ⅲ章 時空の境界を超える
1 四方四季のユートピア――巨椋池(『方丈記』)
2 動物が運んだ幸福――北山山中(『うつほ物語』)
3 夢のお告げと未来――東寺と西寺(『古事談』)
4 観音の救済とは――清水寺(『古本説話集』)
5 親知らず、子知らず――石清水八幡宮(『古今著聞集』)
6 栄華の果ての往生――大原(『平家物語』)
7 それでも私は物語!――広隆寺(『更級日記』)
8 戦争の災厄と餓鬼道――六波羅(『ひとりごと』)
参考文献
おわりに
京都文学年表