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哲学がわかる シティズンシップ

民主主義をいかに活用すべきか

著:リチャード・ベラミー
訳:千野 貴裕
訳:大庭 大

紙版

内容紹介

無意味に思える投票、あてにならない政治家……。政治への幻滅が進むいま、どう社会と向き合えばよいのだろうか。シティズンシップは、私たち市民の平等な政治参加を可能にするデモクラシーと結びつく概念だ。私たちはいかに権利をもちうるのか、なぜ政治に参加するのか? 思想史と理論をひもとき、真に豊かな未来を考える。

目次

 まえがき
 凡 例

1 シティズンシップとは何か、そしてなぜそれが問題なのか?
 なぜ政治的シティズンシップなのか?
  シティズンシップの構成要素
 シティズンシップの逆説とジレンマ

2 シティズンシップの理論とその歴史
 シティズンシップの二つの類型
  平等な政治参加としてのシティズンシップ
  同等の法的地位としてのシティズンシップ
  近代的デモクラシー
 近代民主的シティズンシップの生成

3 成員資格と所属
 臣民から市民へ――境界内の包摂と排除
  財産とシティズンシップの諸特性
  ジェンダーとフェミニズムからの批判
  ナショナリティ、民族、多文化主義
 外国人から市民へ――境界外の排除

4 権利と「諸権利をもつ権利」
 人権とコスモポリタンなシティズンシップ
 「諸権利をもつ権利」――国のシティズンシップとグローバルな正義

5 参加とデモクラシー
 デモクラシーとは何か、そしてなぜそれはシティズンシップにとって重要なのか?
  参加デモクラシー
  守護者制
 シティズンシップとデモクラシーのいま
 シティズンシップの終焉?

 訳者解説
 訳者あとがき

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 索 引

著者略歴

著:リチャード・ベラミー
リチャード・ベラミー
Richard Bellamy
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン教授.英国学士院フェロー.PhD in History(ケンブリッジ大学).専門は,政治理論・政治思想史.主著のPolitical Constitutionalism(Cambridge University Press, 2007)でスピッツ賞を受賞.その他著書多数.邦訳書に『グラムシとイタリア国家』(共著,ミネルヴァ書房,2012年)がある.
訳:千野 貴裕
千野貴裕(チノ タカヒロ)
早稲田大学教育・総合科学学術院准教授.PhD in Political Science(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン).専門は,政治思想史・政治理論.論文に,「グラムシアン・モーメント――グラムシにおけるヘゲモニーと市民社会を再考する」(『思想』2021年5月)などがある.
訳:大庭 大
大庭 大(オオバ ダイ)
オックスフォード大学政治国際関係学部博士課程.論文に「純粋手続き的正義と分配パタン指定の隘路――理論と制度的指針の検討」(『年報政治学』2019-Ⅱ),「生産性と相互性のリベラリズム再考――ロールズ主義における障害者包摂をめぐって」(同前,2021-Ⅱ)などがある.

ISBN:9784000615952
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:196ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年06月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LND