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大泉黒石

わが故郷は世界文学

著:四方田 犬彦

紙版

内容紹介

「俺は国際的の居候」と嘯く大正時代の作家、大泉黒石。ロシア人を父に持ち、複数語に堪能なコスモポリタンだった。『中央公論』連載の『俺の自叙伝』で一世を風靡するが、才能を妬まれ、虚言家だと罵られ文壇追放、忘れられた作家となる。国家も民族も飛び越え、人間性の普遍へと向かおうとした異端の文学者が、今、蘇る。

目次

一 虚言の文学者

二 トルストイを訪問した少年

三 二冊のロシア巡礼記

四 黒石、売り出す。

五 『俺の自叙伝』

六 周縁と下層

七 とうとう文壇追放

八 『露西亜文学史』1

九 『露西亜文学史』2

十 老子の肖像1

十一 老子の肖像2

十二 『血と霊』の映画化

十三 差別と告白、そして虚無

十四 幻想都市、長崎

十五 混血と身体の周縁

十六 峡谷への情熱

十七 奇跡の復活『おらんださん』

十八 戦時下の著作

十九 戦後の零落

二十 黒石の文学
 
 あとがき
 大泉黒石 年譜

著者略歴

著:四方田 犬彦
四方田犬彦(ヨモタ イヌヒコ)
1953年,大阪箕面に生まれる.東京大学で宗教学を,同大学院で比較文学を学ぶ.長らく明治学院大学教授として映画学を講じ,コロンビア大学,ボローニャ大学,清華大学,テルアヴィヴ大学,中央大学(ソウル)などで客員教授・客員研究員を歴任.現在は映画,文学,漫画,演劇,料理と,幅広い文化現象をめぐり著述に専念.学問的著作から身辺雑記をめぐるエッセイまでを執筆.近著として『親鸞への接近』,『詩の約束』,『われらが〈無意識〉なる韓国』,『愚行の賦』,『さらば,ベイルート』,『パゾリーニ』.詩集に『わが煉獄』,『離火』,小説に『すべての鳥を放つ』,『夏の速度』,『戒厳』.翻訳にボウルズ,サイード,パゾリーニなどがある.『月島物語』で斎藤緑雨賞を,『映画史への招待』でサントリー学芸賞を,『モロッコ流謫』で伊藤整文学賞を,『ルイス・ブニュエル』で芸術選奨文部科学大臣賞を,『詩の約束』で鮎川信夫賞を受けた.

ISBN:9784000615938
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:228ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ