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回想 イトマン事件

闇に挑んだ工作 30年目の真実

著:大塚 将司

紙版

内容紹介

株価上昇と地価高騰に沸くバブル経済のただなかで、中堅商社を通じ闇社会がメインバンクの住友銀行から莫大なカネをむしり取ったイトマン事件。事件発覚の発火点は、住銀のバンカーと記者のタッグによる内部告発状だった――。日経新聞上で“スクープ”を放った記者が、告発の闘いの軌跡を詳細な日記やメモを元に語り下ろしたオーラルヒストリー。

目次

イトマン事件の概要
イトマン事件の主な登場人物と相関図

序章 事件発覚の仕掛け人はサラリーマン記者
第1章 バブルのただ中で——事件の萌芽と共闘の始まり
第2章 金融引き締めと総量規制——取材の機が熟す
第3章 共同取材の始まりは住銀会長への直撃
第4章 「戦後最大の経済事件」へ——予感は確信に
第5章 餅屋は餅屋、財務データは興銀から入手
第6章 内部告発「Letter」の仕掛け
第7章 骨抜きにされた第一報——次の一手への模索
第8章 一筋の光明、日本銀行考査局
第9章 待ちに徹し、未来の特ダネへ布石
第10章 ゴールは小さな大スクープ
終章 バブル潰しの火をつけて

おわりに オーラルヒストリーで描き出す事件の貌……………五十嵐京治

イトマン事件年表

著者略歴

著:大塚 将司
大塚将司(おおつか しょうじ)
1950年横浜市生。作家・経済評論家。早稲田大学大学院政治学科修了後、日本経済新聞社に入社。証券・銀行業界、大蔵省、通産省、財界等を担当。78年の佐世保重工業救済報道を皮切りに、リッカー(84年)と三光汽船(85年)の経営危機を暴き、倒産につながった。「三菱銀行・東京銀行の合併」のスクープで95年度新聞協会賞を受賞。2003年の株主総会で鶴田卓彦社長(当時)による会社私物化を追及し、退陣に追い込んだ。10年に定年退職。
著書:『流転の果て ニッポン金融盛衰記'85→'98』(金融財政事情研究会)、『謀略銀行』(ダイヤモンド社)、『日経新聞の黒い霧』(講談社)、『スクープ 記者と企業の攻防戦』(文春新書)他。共著に『ドキュメント イトマン・住銀事件』『銀行淘汰 三菱・東銀合併の衝撃』(以上、日本経済新聞社)他。

ISBN:9784000614399
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:314ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2020年12月
発売日:2020年12月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ