出版社を探す

現代哲学のキーコンセプト 真理

著:チェイス・レン
訳:野上 志学
解説:一ノ瀬 正樹

紙版

内容紹介

私たちはなぜ真理を気にかけるのか.真理はどういう価値があり,それは真理の捉え方とどのように関係しているのか.本書は真理と実在との関係,真理と価値との関係について考察したのちに,現代真理論で最も影響のある対応理論,デフレ主義,多元主義についてポイントを分かりやすく解説する.最新の真理論への見通しのよい入門.

目次

まえがきと謝辞


1 真理とは何か
 1.1 真理と真なること
 1.2 真理の担い手
 1.3 真であることと真であるとされること
 1.4 この先のこと
 文献案内


2 客観性
 2.1 実在についての3つの描像
 2.2 実在論
 2.3 相対主義
 2.4 反実在論
 2.5 客観性と同値性原理
 文献案内


3 真理と価値
 3.1 真理は本質的にある種のよさなのか
 3.2 何が真理を価値あるものにするのか
 3.3 結論
 文献案内


4 真理の認識説
 4.1 懐疑論と私たちのテストがテストするもの
 4.2 真理の整合説
 4.3 整合説の問題
 4.4 真理のプラグマティズム
 4.5 認識説と同値性原理
 4.6 認識説と実在論と反実在論
 4.7 認識説
 4.8 認識説の最終的な査定
 文献案内


5 真理の対応説
 5.1 真理が世界に依存するというアイデア
 5.2 古典的対応説
 5.3 古典的対応から因果的対応へ
 5.4 因果的対応の問題
 5.5 真理メイカー
 5.6 範囲問題
 5.7 同値性原理,実在論,真理の価値
 文献案内


6 真理のデフレ理論
 6.1 真理についての新しい考え方
 6.2 余剰説
 6.3 引用符解除主義
 6.4 最小主義
 6.5 説明の問題と証拠の問題を解決する
 6.6 デフレ主義と同値性原理と実在論
 6.7 デフレ主義と真理の価値
 文献案内


7 真理の多元主義理論
 7.1 真理一元主義と真理の多元主義
 7.2 範囲問題,再び
 7.3 デフレ主義の2つの問題
 7.4 単純多元主義とライトの見解
 7.5 単純多元主義,混合複合文,混合推論
 7.6 真理機能主義
 7.7 真理の多元主義理論への反論
 7.8 多元主義の得点表
 文献案内


8 デフレ主義再訪
 8.1 論争を進展させる
 8.2 共通の根拠と方法論的デフレ主義
 8.3 デフレ主義対因果対応説
 8.4 デフレ主義対多元主義
 8.5 結論


参考文献
日本語参考文献


解説「真理である」ことの真理……………一ノ瀬正樹


訳者あとがき
索 引

著者略歴

著:チェイス・レン
チェイス・レン(Chase Wrenn)
ワシントン大学(セントルイス校)PhD.現在,アラバマ大学准教授.真理論,認識論,心の哲学,認知科学.“A Puzzle about Desire.” Erkenntnis 73-2 (2010); “Practical Success and the Nature of Truth.” Synthese 181-3(2011). 共著に New Waves in Truth. Palgrave Macmillan(2010).
訳:野上 志学
野上志学(のがみ しがく)
1990年生.東京大学大学院人文社会系研究科博士課程.日本学術振興会特別研究員(DC2).哲学.
解説:一ノ瀬 正樹
一ノ瀬正樹(いちのせ まさき)
1957 年生.東京大学大学院人文社会系研究科教授を経て,現在,東京大学名誉教授,オックスフォード大学名誉フェロウ,武蔵野大学教授.哲学.

ISBN:9784000613743
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:246ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2019年11月
発売日:2019年11月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDTL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX