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歴史学入門

新版

著:福井 憲彦

紙版

内容紹介

歴史を学ぼうとするすべての人のための「史学概論」。社会史がきりひらいた問題意識をふまえつつ、史料論、地域とネットワーク、身体性と心性、家族とソシアビリテ、記憶と表象など、現代歴史学の考え方を明快かつ綜合的に読み解く。読みつがれてきた旧版に「宗教」と「ジェンダー」の二章を加え一四章構成とした全面改訂版。

目次

はじめに――新版への序として

1 歴史への問い/歴史からの問い
 一 社会史という問いのスタイル
 二 個別研究と全体的連関
 三 歴史と現在

2 証拠としての史料・資料
 一 立論の根拠を示す多様な史資料
 二 非文献資料の可能性
 三 史資料の解読という手続き

3 歴史の舞台としての環境
 一 自然環境への適応の工夫
 二 人類の歴史と環境破壊
 三 科学技術と文化技術
 四 環境と人間の想像力

4 時間の認識と時代区分
 一 時計のある社会・ない社会
 二 時計の時間と社会の秩序
 三 歴史研究上の時間の枠組み

5 歴史の重層性と地域からの視線
 一 歴史の重層的な変化
 二 地域と国家
 三 国民国家形成が追求された時代
 四 持続する地域の特性

6 グローバルな歴史の捉え方
 一 人・もの・情報の動きと歴史の展開
 二 海を舞台とした結びつき
 三 陸路と海路の結びつき

7 身体と病と「生死観」
 一 からだのイメージ
 二 病気への対応
 三 社会が共同で引き受ける死
 四 共同的な生のあり方

8 宗教と信心のあり方
 一 歴史研究における宗教への問い
 二 フランスにおける研究動向の事例から
 三 宗教と社会と政治

9 歴史人口学が拓いた地平
 一 歴史人口学という学問
 二 歴史人口学と家族復元法
 三 家族史研究への寄与と限界

10 人と人とを結ぶもの
 一 家族の結びつき
 二 土地と職能が取り結ぶ縁
 三 ソシアビリテの歴史的変化

11 女性史とジェンダーという視点
 一 男女の性別とジェンダー
 二 近代市民社会とジェンダー秩序

12 比較というまなざし
 一 比較史という考え方
 二 ブロックによる比較史の提言
 三 比較史の観点の発展

13 政治と文化の再考
 一 歴史研究における政治理解の変化
 二 政治における儀礼と表象
 三 歴史研究における文化理解の変化

14 歴史と記憶または歴史と現在
 一 歴史学の歴史または歴史叙述の歴史
 二 社会的記憶としての歴史
 三 差異に敏感な歴史の理解へ


参考文献
索 引

著者略歴

著:福井 憲彦
福井憲彦(ふくい のりひこ)
1946年生まれ
東京大学文学部卒
現在―学習院大学名誉教授
専攻―フランス近現代史
著書―『近代ヨーロッパの覇権』(講談社学術文庫,2017年),『近代ヨーロッパ史』(ちくま学芸文庫,2010年),『ヨーロッパ近代の社会史』(岩波書店,2005年),『パリ 建築と都市』(共著,山川出版社,2003年),『フランス史』(編著,山川出版社,2001年),『世紀末とベル・エポックの文化』(山川出版社,1999年),『鏡としての歴史』(日本エディタースクール出版部,1990年)ほか

ISBN:9784000289214
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:210ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年03月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHA