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井上ひさし 発掘エッセイ・セレクション

芝居とその周辺

著:井上 ひさし

紙版

内容紹介

井上ひさしが遺した戯曲は数多く、没後十年を経ても愛され、上演され続けています。本書は芝居をテーマに、若き日の雑誌への投稿、同時代を生きる演劇人との交友、自作をめぐるエッセイなどを収録。レッスンシリーズからは、シェイクスピア、チェーホフをどう読むか、喜劇とは何かを考える、独自の演劇観が浮かび上がります。

目次

私のチャップリン観  東京・井上 廈


1 自作の周辺
 庭先の真理
 勇気をお送りください 〔司馬遼太郎への手紙〕
 それは運命ではない 〔『林京子全集第三巻』解説〕
 より鮮明になる記憶 〔石内都著『ひろしま』解説〕
 子規はグラヴを手にはめていたか。
 二人の漱石
 子どもを玩具にすべからず。
 兄弟対決になにが必要か。
 お話上手な俗天使——太宰治が読みやすく おもしろい理由
 劇場に燃える火
 吉野作造と鞍馬天狗
 道元とその時代
 源内焼のおじさん
 開幕を待ちながら
 作家 井上ひさしの手紙


2 レッスンシリーズとその補講
 黄金の大規則 〔日本劇作家協会発足あいさつ〕
 劇作家、おすすめ戯曲
 アンケート 三島由紀夫と私
 井上ひさしの シェイクスピア・レッスン
 2001年のシェイクスピアと漱石
 チェーホフ・レッスン
 ドストエフスキーからチェーホフへ
 コメディー・レッスン
 てんぷくトリオのコント


3 芝居の交友録
 枠、あるいは制約について 〔特集:飯沢 匡〕
 解 説 〔河竹登志夫著『作者の家』〕
 解 説 〔皆川博子著『旅芝居殺人事件』〕
 著者の修辞技法は修辞なき文を癒す——別役実『当世病気道楽』〔書評〕
 たけしさんへの手紙 〔ビートたけし著『浅草キッド』解説〕
 大笹吉雄『現代演劇の森』〔書評〕
 千田先生の巨きさ 〔追悼〕
 千金万巻より重い一冊——大平和登著『ブロードウェイの魅力』〔書評〕
 締切前後の編集長 〔追悼 石和 鷹〕
 定説破りの快作——渡辺保『黙阿弥の明治維新』〔書評〕


4 絶筆ノート
 舞台は一人で作れない——第十七回読売演劇大賞 芸術栄誉賞 井上ひさし
 井上ひさし「絶筆ノート」


あとがき……………井上ユリ



編集協力=井上恒
資料提供=遅筆堂文庫

著者略歴

著:井上 ひさし
井上ひさし(いのうえ ひさし)
1934-2010年。山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生れる。上智大学外国語学部フランス語科卒業。放送作家などを経て、作家・劇作家となる。1972年、『手鎖心中』で直木賞受賞。小説・戯曲・エッセイなど幅広い作品を発表する傍ら、「九条の会」呼びかけ人、日本ペンクラブ会長、仙台文学館館長などを務めた。
『井上ひさしコレクション』(全3巻)『井上ひさし短編中編小説集成』(全12巻)(以上、岩波書店)、『「日本国憲法」を読み直す』『この人から受け継ぐもの』(以上、岩波現代文庫)など、著書も多数刊行されている。

ISBN:9784000281492
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:202ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2020年05月
発売日:2020年05月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1FPJ