世界歴史選書
木簡・竹簡の語る中国古代
増補新版
書記の文化史
著:冨谷 至
紙版
目次
目 次
第一章 紙の発明とは?
高等学校の教科書から
紙と蔡倫
古紙の発見
紙の用途
「紙」という語と製紙の始まり
第二章 紙以前の書写材料
甲骨と青銅器
石に刻まれた記録
石刻の始まり
秦刻石
詔書を刻する
漢碑の時代
後漢、漢碑の隆盛
墓石ラッシュの意味するところ
碑と碣──石刻の名称
墓碑の起源と形状
墓中の石刻──墓誌
刑徒墓磚
黄泉の国の石刻
書写材料の中の石刻
第三章 木簡と竹簡
二〇世紀の新資料
木簡発見の歴史
木簡研究史
簡牘──その形状と用途
異なる収巻方法──その1 書籍
異なる収巻方法──その2 帳簿
書物成立前夜
単独簡
木簡と竹簡
発見がもたらした屈折──日本ではなぜ木簡しか出土しないのか
第四章 簡牘が語る書記の世界
簡牘資料の魅力
四次元的資料
長屋王木簡と長屋親王宮
文字の統一
覆された定説
文字の統一とは──文献史料、出土資料両方から考える
李斯と文書行政
篆書から草書へ──簡便性と芸術性
文書行政──その1 詔書
地方行政・軍事組織
中央から肩水候官まで
元康五年冊の真の姿
文書行政──その2 上行文書
書記官とその周辺
字書は誰のために?──流沙出土の資料から
文書逓伝の実態──二種類の検
文書逓伝の実態──郵亭
貫徹する文書行政──郵書刺、郵書課、郵書挙
第五章 楼蘭出土の文字資料より──併用される木と紙
再び書写材料へ
スウェン・ヘディンと楼蘭王国
紙に書かれた書籍
楼蘭からの手紙
使い分けられた木と紙──簿籍
検・符と公文書
紙への段階的移行
第六章 漢から晋へ──簡牘から紙
文献史料よりみたる文書装幀
紙の時代へ──詔の紙色
黄紙と黄籍
総括──書記文化の変遷
新しい行政システムへ
律令制とは何か
補 論
(一) 簡牘の長さと文書行政
(二) 漢簡の書体と書芸術
あとがき
増補新版あとがき
図版出典一覧
参考文献