著者略歴
著:小川 国夫
小川国夫(おがわ くにお)
1927年,静岡県藤枝町(現・藤枝市)生まれ.2008年4月8日,帰天.旧制静岡高校時代にカトリックの洗礼を受ける.1950年,東京大学国文科入学.53年,パリ大学に留学.この頃,ヴェスパを駆って地中海沿岸を旅する.56年に帰国し,留学と放浪の体験から生まれた『アポロンの島』(57年)が島尾敏雄から高く評価され,文壇で頭角を現す.以降,『悠蔵が残したこと』(69年),『試みの岸』(72年),『或る聖書』(73年),『彼の故郷』(74年)などにより,キリスト教作家,内向の世代を代表する作家と目される.86年「逸民」で川端康成文学賞,94年『悲しみの港』で伊藤整文学賞,99年『ハシッシ・ギャング』で読売文学賞受賞.
没後にも『弱い神』(10年),『襲いかかる聖書』(10年),『俺たちが十九の時─小川国夫初期作品集』(12年),『イエス・キリストの生涯』(13年)などが刊行されている.