ヘーゲルにおける理性・国家・歴史
著:権左 武志
内容紹介
草稿研究に基づくヘーゲル政治思想像の革新
目次
序章 本書の視角と構成
第一部 ヘーゲル歴史哲学の成立とその背景
第一章 「歴史における理性」は人類に対する普遍妥当性を要求できるか?
序
第一節 一八二二年度講義の基本前提
第二節 一八二二年度講義の全体構造
結び
第二章 「歴史における理性」はいかにしてヨーロッパで実現されたか?
第一節 発展段階論的歴史観の解釈替え
第二節 一八二二年度講義の全体構造(続)
第三節 普遍妥当性要求の自己限定
第三章 世俗化運動としてのヨーロッパ近代
序
第一節 一八三〇年度講義序論における自由の発展の基礎づけ
第二節 一八三〇年度講義ゲルマン世界論における自由の実現プロセス
結び
第二部 ヘーゲル国家論と法哲学講義
第四章 帝国の崩壊、ライン同盟改革と国家主権の問題
序
第一節 一六四八年前後における主権概念の受容
第二節 帝国解体期における主権概念の再生
第三節 ライン同盟改革期における主権概念をめぐる論争
第四節 一八二〇年前後における主権概念の理論的定式化
結び
第五章 西欧政治思想史におけるヘーゲルの国家論
序
第一節 西欧政治思想史の二つのコンテクスト
第二節 コンテクストの中のヘーゲル国家論
結び
第六章 ヘーゲル法哲学講義をめぐる近年ドイツの論争
序
第一節 戦後『法哲学』解釈の基本動向
第二節 第一次法哲学講義公刊をめぐる論争
第三節 第二次法哲学講義公刊をめぐる論争
第四節 回顧と展望
(付論)その後の論争の経過
第三部 初期ヘーゲルの思想形成
第七章 若きヘーゲルにおける政治と宗教
序
第一節 原初的政治観としての共和主義
一 フランス革命をめぐる状況的選択
二 共和主義理念をめぐる原理的考察
第二節 ベルン期ヘーゲルの宗教構想
第三節 フランクフルト期ヘーゲルの宗教構想
一 ヘルダーリン合一哲学の受容
二 「キリスト教の精神」における合一哲学の展開
三 「キリスト教の運命」を通じての合一哲学の相対化と生の思想の誕生
結び
第八章 イェーナ期ヘーゲルにおける体系原理の成立
序
第一節 ドイツ観念論の文脈におけるイェーナ初期の絶対者概念
一 超越論哲学に対するシェリングの論争
二 主観性哲学に対するヘーゲルの論争
三 同一哲学に対するヘーゲルの論争
第二節 神学的・超越論的文脈におけるイェーナ後期の精神概念
一 自然法講義草稿における神学的伝統の受容
二 一八〇四年度体系構想における精神概念の形成
三 『精神現象学』における精神概念の完成
結び
注
あとがき