国際共同研究 ヒロシマの時代
原爆投下が変えた世界
著:マイケル・D.ゴーディン
著:G.ジョン・アイケンベリー
他訳:藤原 帰一
内容紹介
広島・長崎への原爆投下が世界にもたらした変化は巨大であった。「核革命」の広範な影響とその意味を考えることなしに、現代を理解することはできない。全一七章からなる本書は、日米のみならず世界各地の動向を踏まえ、歴史学と政治学を横断させた国際共同研究の成果である。「ヒロシマ」をめぐるグローバル・ヒストリーの試み。
目次
第一章 ヒロシマの遺産 マイケル・D・ゴーディン/G・ジョン・アイケンベリー(藤原帰一 訳)
第一部 決定と選択
第二章 政策決定要因としての原爆
──フランクリン・ルーズベルトととられなかった選択 キャンベル・クレイグ(倉科一希 訳)
第三章 京都神話
──トルーマンが広島について知っていたことと知らなかったこと アレックス・ウェラースタイン(武田 悠 訳)
第四章 「野獣を相手にしなければならない時には」
──人種、イデオロギーと原爆投下の決定 ショーン・L・マロイ(佐々木卓也 訳)
第五章 破滅への競争──戦略的核戦争に関するソ連の見解(一九五五─七二年) デヴィッド・ホロウェイ(金 成浩 訳)
第六章 日本の政治外交と広島・長崎の長い影 一九七四─一九九一年 佐々木卓也
第二部 運動と抵抗
第七章 バンドン会議とアジア諸国に対する日本の「平和のための原子力」援助計画の起源 友次晋介
第八章 初期の核時代におけるインド シュリナース・ラガヴァン(向 和歌奈 訳)
第九章 不確実な時代における「不必要」な選択としての核開発──一九五〇─一九六〇年代の日本の非核政策 向 和歌奈
第一〇章 核革命と覇権的序列化──南米における「ヒロシマ」の影響 マチアス・スペクトル(大串和雄 訳)
第一一章 戦争の記憶と広島の忘却──冷戦期の西ドイツにおける反核運動 ホルガー・ネーリング(竹本真希子 訳)
第一二章 広島・南京・靖国──第二次世界大戦後日本における言説の競合 藤原帰一
第三部 革命と変容
第一三章 始まりの終着点──中国と核革命の固定化 エイブリー・ゴールドスティン(佐橋 亮 訳)
第一四章 データ・言説・混乱──放射線影響と核の秩序 ソニア・D・シュミット(友次晋介訳)
第一五章 核の害悪とグローバルな軍縮 シャンパ・ビスワス(鈴木達治郎 訳)
第一六章 二一世紀における核のタブーの遺産 ニーナ・タネンワルド(吉田文彦 訳)
第一七章 歴史と核時代における未解決な問い
──核問題研究における前提、不確実性、方法に関しての省察 フランシス・J・ギャヴィン(吉田文彦 訳)
謝辞
監訳者あとがき
原注
人名索引・事項索引
著者・訳者紹介
ISBN:9784000245456
。出版社:岩波書店
。判型:A5
。ページ数:396ページ
。定価:9600円(本体)
。発行年月日:2022年03月
。発売日:2022年03月19日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS。