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犯罪加害者と表現の自由

「サムの息子法」から考える

著:松井 茂記

紙版

目次

 はじめに

第一章 アメリカにおける「サムの息子法」
 1 「サムの息子法」の背景
 2 合衆国最高裁判所判決
 3 違憲判決は妥当だったのか

第二章 「サムの息子法」の現在
 1 どのような措置が許されるか
 2 現在のニューヨーク州の「サムの息子法」
 3 もともとの「サムの息子法」が残されている州
 4 カリフォルニア州
 5 それ以外の改正された州
 6 「サムの息子法」の現在

第三章 カナダの「サムの息子法」
 1 ロバート・ピクトン事件
 2 カナダ法の対応――連邦法
 3 オンタリオ州の「サムの息子法」
 4 統一カナダ法会議の提案
 5 オンタリオ州以外の州の「サムの息子法」
 6 カナダにおける「サムの息子法」の合憲性

第四章 日本における「サムの息子法」の可能性
 1 現在どのような措置が可能か
 2 どのような措置の導入が考えられるか
 3 表現の自由を侵害しないか――判断の枠組み
 4 「サムの息子法」は表現の自由を制約するか
 5 検閲の禁止に当たらないか

第五章 「サムの息子法」の許容性
 1 犯罪に関する表現を禁止する
 2 収益を剝奪する――立法目的
 3 収益を罰金として徴収又は没収する
 4 収益をエスクローする
 5 違反行為に刑罰を科す
 6 マス・メディアによる収益も剝奪する

第六章 「サムの息子法」を振り返る
 1 犯罪被害者救済という観点から振り返る
 2 拡大された「サムの息子法」は必要か
 3 犯罪被害者の損害賠償請求権を考え直す
 4 どのようにして支払いを確保するか
 5 有罪判決を受けた人の代理人
 6 著作権

 結びに代えて
 注

著者略歴

著:松井 茂記
松井茂記(まつい しげのり)
1955年生まれ,京都大学法学部卒業.大阪大学法学部教授を経て,現在,ブリティッシュ・コロンビア大学ピーター・アラード・スクール・オブ・ロー教授,大阪大学名誉教授.専攻は憲法.著書に,『情報公開法入門』(岩波新書),『カナダの憲法』『図書館と表現の自由』『インターネットの憲法学新版』(以上,岩波書店),『日本国憲法 第3版』『司法審査と民主主義』『アメリカ憲法入門 第8版』(以上,有斐閣),『マス・メディア法入門 第5版』(日本評論社)など多数.

ISBN:9784000244886
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:280ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2018年10月
発売日:2018年10月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNF