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中国の民衆と生きたアメリカ人 アイダ・プルーイットの生涯

著:山口 守

紙版

内容紹介

一九世紀末、山東省の農村で宣教師の娘として生まれ、ソーシャルワーカーとして、社会運動家として、作家として、中国の近代において多方面で業績を残したアイダ・プルーイット。宋慶齢との出会いや、エドガー・スノーらの運動への参加、老舎『四世同堂』の翻訳秘話など、二つの国と文化を生きた稀有な生涯を初めて描く。

目次

 はじめに
 アイダ・プルーイット関連地図

第一章 中国へ渡る両親
    宣教師による清末キリスト教伝道事業
 一 両親の経歴
 二 アメリカにおける海外伝道の背景
 三 中国におけるプロテスタント伝道事業の始まり
 四 聖書の翻訳
 五 出版・メディアとの関連
 六 中国社会への関与
 七 中国におけるアメリカ・プロテスタント伝道の本格化
 八 アメリカ南部バプテストの拠点:登州と芝罘
 九 山東における南部バプテスト伝道活動
 一〇 黄県への進出
 一一 年次報告書に見る現地

第二章 山東時代
 一 アイダ誕生
 二 黄県の家
 三 両親が体現するアメリカ
 四 子守の存在
 五 言葉と教育
 六 芝罘の学校へ
 七 日清戦争の影
 八 義和団事件の勃発
 九 緊迫化する事態
 一〇 アメリカへの一時帰国

第三章 アメリカから再び山東へ
 一 ジョージアでの大学生活
 二 ニューヨークにて
 三 山東における宣教師の教育事業
 四 プルーイット家の教育事業
 五 黄県における医療事業
 六 芝罘での教員生活
 七 少女との出会い
 八 再びアメリカへ

第四章 北京時代
 一 ソーシャルワーカーへの道
 二 北京協和医学院
 三 協和医院社会服務部
 四 社会福祉から社会的関与へ
 五 迫りくる戦争

第五章 中国工業合作社運動への参加
 一 中国工業合作社とは
 二 運動への参加
 三 香港での活動
 四 アメリカへの帰国と適応
 五 アメリカの時代状況
 六 活動の開始
 七 アイダ・プルーイットの中国

第六章 老舎との共同英訳作業と文化翻訳
 一 老舎との出会い
 二 老舎の滞在延長
 三 『四世同堂』の構想と完成
 四 失われた原稿
 五 文化翻訳
 六 名もなき中国の民衆と共に

 注
 文献表
 あとがき
 人名索引

著者略歴

著:山口 守
山口 守(ヤマグチ マモル)
1953年,長野県生まれ.東京都立大学大学院人文科学研究科中国文学専攻修了.日本大学文理学部特任教授,日本台湾学会名誉理事長.専門は中国現代文学,台湾文学及び華語圏文学.著書に『巴金とアナキズム衽衲理想主義の光と影』(中国文庫,2019),『黒暗之光衽衲巴金的世紀守望』(復旦大学出版社,2017),編著書に『講座台湾文学』(国書刊行会,2003),訳書にアイダ・プルーイット『北京の想い出衽衲1926-1938 A Memoir of Peking Life』(平凡社,1990),『リラの花散る頃衽衲巴金短篇集』(JICC出版局,1991),史鉄生『遥かなる大地』(宝島社,1994),白先勇『台北人』(国書刊行会,2008),阿来『空山』(勉誠出版,2012)など.

ISBN:9784000241854
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:362ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB