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新会社法の核心

日本型「内部統制」問題

著:牧野 二郎

紙版

目次

 はじめに どうして内部統制が必要なのか

第1章 新会社法とは何か
 1 改正の本質とは―自由化・規制緩和
  アメリカ型資本主義への方向転換
  自由化と規制緩和
  失われる信頼―法人「少子化対策」の誤り
  株価がすべてになる社会
  個人が投機に走る時代
 2 核心としての内部統制問題
  古くて新しい問題―企業の不正
  市民社会からの要請としての内部統制
  誰が監査できるのか―アメリカを真似しただけの法律?
  制度上の重大な欠陥
  日本版SOX法による内部統制
 3 無用の長物,COSOフレームワーク―必要な内部統制とは
  COSOフレームワークの実態
  COSOフレームワークの4つの間違い
  COSOフレームワークは世界標準ではない
 4 内部統制を再考する
  不祥事の本質
  個人要素を排除して,業務を見直す
  インシデントレポート制度
  CRM―誰が正しいかではなく,何が正しいか
  凧理論再説

第2章 事件を「内部統制」から読み解く
 1 事件の分析と防止のために
 2 第1グループ―経営者の犯罪
  ライブドア事件
  カネボウ粉飾決算事件
  コクド事件
  日本テレビ放送網名義問題
  UFJ記録隠蔽(検査忌避)事件
  姉歯耐震強度偽装事件
 3 第2グループ―管理職の偽装,管理責任違反
  雪印食品輸入牛肉偽装事件
  三菱地所有害汚染不告知事件
  ダスキン食品衛生法違反事件
  六本木ヒルズ回転ドア死亡事故
  雪印乳業食中毒事件
 4 第3グループ―現場の偽装,現場の事故
  大和銀行ニューヨーク支店巨額粉飾事件
  三井物産排ガス虚偽データ事件
  富士通HDD事件
 5 第4グループ―企業ぐるみ不祥事と事故
  三菱ふそう欠陥隠蔽事件
  東証事件(第1事件・第2事件・第3事件)
  東証システム障害事件(第1事件)
  東証ジェイコム株誤発注事件(第2事件)
  取引急増を原因とする取引停止事件(第3事件)
 6 内部統制で再発は防止できるのか―まとめ
  業務改善ができるか
  隠蔽を防げるか
  情報を共有・点検できるか
  監査の独立性を確保できるか
  内部告発ができるか

第3章 日本企業を変えるために―日本型内部統制
 1 内部統制への3つの素朴な疑問
 2 内部統制と日本企業
  わが国企業の体質と内部統制
  うわべだけの内部統制のリスク
  内部統制は必要なのか
  内部統制で事故は確実に防げるのか
  内部統制は生産性を落とすか
  企業の犯罪や不祥事を防止するのは企業自身
 3 日本型内部統制のあり方
  日本型内部統制の特徴
  日本型内部統制の前提条件
  情報を意識化すること
  どうすれば内部統制がうまくゆくか

 おわりに

ISBN:9784000234221
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:224ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2006年07月
発売日:2006年07月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ