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思考のフロンティア

壊れゆく世界と時代の課題

編:市野川 容孝
編:小森 陽一

紙版

目次

はじめに 小森陽一
 
第1章 アジア/日本を貫く〈近代〉批判のために――歴史と現在にどう対峙するか
 基調報告 米谷匡史
 討論 米谷匡史・姜尚中・市野川容孝・小森陽一
オリエンタリズム批判の受容/掘り下げるべき「自己植民地化」/日本近代史を再整理する/宮沢賢治や谷川雁が見ていたもの/国境を越え連鎖する近代の暴力性/黄禍論とアジア主義の反復を断ち切る/都市と都市以外の植民地関係/ローカルの可能性と国家の役割と/東アジアに向かう際の同床異夢/ふたたび超えるべき階級論

第2章 世俗と超越と――宗教性はなにをもたらすのか
 基調報告 臼杵 陽
 討論 臼杵 陽・高橋哲哉・市野川容孝・小森陽一
境界の曖昧化/国家神道という装置/原理主義とは/普遍性と特殊性/政教分離とは何か/市民宗教という宗教/国民国家統合の軸としての宗教/日本の近代化に果たした宗教性の役割とは/国家教という宗教/国家をどうとらえるか/戦争と宗教/日米関係における日本/戦後日本の欺瞞

第3章 暴力と自由のあいだ――近代の主権パラダイムをどう超えるのか
 基調報告 上野成利
 討論 上野成利・杉田 敦・市野川容孝・小森陽一
錯綜する主権パラダイムへの問い/見棄てられることか,捕らわれることか/主権・国家・暴力/暴力なき秩序の不可能性/法,言葉と暴力/現場での生きるための闘い/不可視なものを明らかにし,つなぐ/「安全性」のもとで行使される暴力

第4章 言語と法,人間の領域――正義はどこにあるのか
 基調報告 守中高明
 討論 守中高明・竹村和子・市野川容孝・小森陽一
なぜ「言語と法,人間の領域」なのか/制度化された近代のほころび/法の内面化というダイナミズム/精神分析の男性性/リヴァイアサン,ふたたび/正義の再定義/隣る人/生存が脅かされる時代に/死のとらえなおし

第5章 「公共的なもの」と社会的連帯――その限界と可能性
 基調報告 齋藤純一
 討論 齋藤純一・金子 勝・市野川容孝・小森陽一
社会的連帯をいかに可能にするか/議論が現実に対して力をもちうるのか/孤立した個人が連帯の手をのばすとき/思考するために言葉を紡ぐ/「自立した個人」を取り戻すために/公共性への回路をどうつなぐか/描き直しのための構想力を

あとがきに代えて――夢と覚醒 市野川容孝

ISBN:9784000228886
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2009年03月
発売日:2009年03月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB