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教員評価の社会学

編著:苅谷 剛彦
編著:金子 真理子

紙版

内容紹介

教師という仕事のもつ複雑性と可能性を問う

目次

序章 問題の設定と調査の概要――<改革>のプロセスから見えてくる教職という仕事 金子真理子
 1 目的と方法
 2 調査の概要
 3 本書の構成

1章 全国の「教員評価」実施動向から 妹尾渉
 1 「新しい教員評価」制度導入の背景
 2 教員給与制度の動向
 3 「新しい教員評価制度」の特徴

2章 教員評価制度改革の導入と「翻案」のプロセス 諸田裕子
 1 宮崎県における教員評価制度の修正・変更
 2 どのような「教員評価」が行われようとしたのか
 3 「翻案」された宮崎県の独自性――「積み上げ式」から「チェック方式」へ
 4 結語――翻案の意義

3章 「新しい評価制度」は教員のやる気を向上させたのか 妹尾渉
 1 問題設定
 2 分析に用いたデータ
 3 教員評価の実施にともなう動機づけの変化
 4 分析――動機づけを変化させる要因
 5 考察
 6 まとめと今後の分析

4章 「新たな教員評価制度」が人事行政に与えたインパクト
 川上泰彦
 1 はじめに
 2 制度の翻案過程
 3 翻案の過程に見る「評価」の変化
 4 まとめ――県による「目的達成」と,その脆さ

5章 教師たちは「スーパーティーチャー制度」をどう受けとめたのか 伊藤安浩
 1 問題設定
 2 スーパーティーチャー制度導入の経緯
 3 スーパーティーチャー制度の現状
 4 スーパーティーチャーに関する教員の意識
 5 まとめ

6章 教師を通してみる教員評価 河野銀子
 1 はじめに
 2 教員評価制度のねらいと現実
 3 力量向上への取り組みと評価の正当性
 4 教員評価制度に対する抵抗感

7章 教師の能力観という“現場の文法”――教員評価制度への抵抗感の源泉 金子真理子
 1 問題設定
 2 教員評価制度が前提とする能力観
 3 教師は教員評価制度をどう受け止めたのか
 4 教師の能力観の4類型
 5 教師の能力観と教員評価制度への認識
 6 教師の能力観は何に影響されるのか
 7 結論――教職という仕事の社会的特質と教員評価

8章 教師の成長と教員評価 油布佐和子
 1 教員評価の二つの系列
 2 「教師が育つ」とはどういうことか
 3 教師の成長と教員評価の政策
 4 教員評価が教師の成長に及ぼす影響
 おわりに

終章 教員評価から見えてくるもの――教える仕事の特質といかに向き合うか 苅谷剛彦 諸田裕子
 1 「現場の文法」との摩擦
 2 評価を媒介としたコミュニケーションの意義
 3 両刃の剣を生かすには

 あとがき 苅谷剛彦

ISBN:9784000225762
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:2900円(本体)
発行年月日:2010年06月
発売日:2010年06月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN