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ヨーロッパ思想史における〈政治〉の位相

著:半澤 孝麿

紙版

内容紹介

ヨーロッパ政治思想史の限界画定に挑む

目次

凡例

序章 主題と方法

第一章 「自由」の倫理的力(moral force)に関する歴史的一考察
 一 出自と理由
  (i)仮説の提示――「自由」の観念の核心
  (ii)アウグスティヌス『自由意志』の重要性
 二 伝統とその変容
  (i)18世紀――受容・そして変容の始まり
  (ii)18世紀から19世紀へ――主観性の勝利
 三 世俗化の帰結
  (i)ヒューム政治理論の革命性
  (ii)ロールズ『正義論』とノージック『アナーキー・国家・ユートピア』
  (iii)バーリンの自由論―自由意志論・自然法への回帰?

第二章 ヨーロッパ政治思想史における「非政治的なもの」
 一 仮説の提示――政治と非政治の緊張・その持続性
 二 キリスト教の本質的非政治性
 三 ヘレニズムにおける〈政治〉の相対化の論理とその伝統――観想的生活論――
 四 非政治的人間の連帯――友情論の歴史的展開
  (i)胚種としてのアリストテレス『ニコマコス倫理学』
  (ii)キケロおよびそれ以降
  (iii)モンテーニュ友情論のパラダイム性
  (iv)18世紀以降の友情論

第三章 16世紀政治思想における世界認識――昂進するペシミズム――
 一 問題の提起――なぜ十六世紀か
 二 1520年頃までの思想状況(その一)――仮説の提示・「形相」と「質料」の乖離――
 三 1520年頃までの思想状況(その二)――仮説の検証――
  (i)作為による自然の実現――モア『ユートピア』,ラブレー「テレーム の僧院」
  (ii)〈旅〉の困難――ルター『キリスト者の自由』,マキアヴェッリ『リヴィウス論』
  (iii)エラスムス――その多面性
 四 宗教戦争――ペシミズムの支配
  (i)状況の変化―カルヴァンとそれ以後
  (ii)リプシウス『政治学六巻』
  (iii)フッカー『国王首長制教会国家の諸法について』
 五 結びに代えて

第四章 ヨーロッパ保守主義政治思想の三類型
 一 問題の提示
 二 類型の設定
  (i)懐疑主義的保守主義
  (ii)目的論的保守主義
  (iii)生成論的保守主義

 注
 あとがき

ISBN:9784000023979
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:380ページ
定価:7200円(本体)
発行年月日:2003年10月
発売日:2003年10月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP