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文化人類学の思考法

編:松村 圭一郎
編:中川 理
編:石井 美保

電子版

内容紹介

あたりまえを疑う。言うは易しだが、これが思うようにできない。手ぶらでやろうとすると気づかぬうちにかつての「あたりまえ」のなかに囚われてしまう。生活のあたりまえ、男女のあたりまえ、会社や仕事のあたりまえ、経済や文化のあたりまえ、国家のあたりまえが劇的に変わっていこうとしているなか、これまでの「あたりまえ」から出ていくためには、優れた道具が必要となる。

文化人類学は「これまでのあたりまえ」の外へと出ていくための「思考のギア(装備)」だ。本書はその最先端の道具が一式詰まった心強い「道具箱」だ。こんなに「使える」本は滅多にない。ビジネスマンからクリエイター、学生まで、下手な実用書を買うくらいなら、これを常備しておくことをおすすめする。

WIRED日本版元編集長・若林恵氏


カバーデザインは、BOOTLEG(スープ・デザインより商号変更)の尾原史和氏
本の内容にあわせて、視点を変えるといろいろなものに見えてくる図形を掲載。
さわって開くとわかる、「あたりまえ」を覆すカバー。

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はじめに(抜粋)

考えるって、めんどうくさい。限られた人生、細かいことは気にせず、ぼぉっと気楽に生きていたい。学問を仕事にしていても、ときどきそう思うことがある。

毎日、テレビやインターネットから、たくさんの情報が降り注いでくる。あきれてしまう報道も多い。なんでそうなるんだ、と怒りが込み上げてくる。そんなとき、どうすれば世の中が少しはましになるのか考えなければ、という気になる。でも同時に、考えてもしかたない、何も変わらない、聞かなかったことにしよう、と誘惑する声も聞こえてくる。

考えるためには、時間の余裕が必要だ。気力や体力もいる。でも、それだけではない。なにより、筋道をたてて思考するための「方法」がいる。うんうんとひとりで頭をひねりまわしても、考えは深まらない。

考えるために役立つ道具箱をつくりたい。しかも、文化人類学というユニークな学問が育ててきた思考の道具がたくさん詰まった道具箱を。この本は、そんな思いで編集された。

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JP-eコード:79071733000000000015
出版社:世界思想社
コンテンツ公開日:2019年09月13日