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イースト新書Q

たのしいプロパガンダ

著:辻田真佐憲

電子版

内容紹介

戦中につくられた戦意高揚のための勇ましい軍歌や映画は枚挙に暇ない。しかし、最も効果的なプロパガンダは、官製の押しつけではない、大衆がこぞって消費したくなる「娯楽」にこそあった。本書ではそれらを「楽しいプロパガンダ」と位置づけ、大日本帝国、ナチ・ドイツ、ソ連、中国、北朝鮮、イスラム国などの豊富な事例とともに検証する。さらに現代日本における「右傾エンタメ」「政策芸術」にも言及。画期的なプロパガンダ研究。

目次

第一章 大日本帝国の「思想戦」
宣伝は楽しくなければならない
第一次世界大戦と陸軍の思想戦
宝塚少女歌劇に着目した海軍軍事普及部
軍国レビュー「太平洋行進曲」
プロパガンダは官民の協働から生まれた
戦争に動員された「お笑い」
ポップスとして消費された軍歌
標語は射幸心を煽る手軽な啓蒙手段
写真や漫画を活用した官製グラフ誌『写真週報』
戦時下に公開された日本初の長編アニメ映画
米国人を驚かせた謀略放送の娯楽性 ……ほか

第二章 欧米のプロパガンダ百年戦争
プロパガンダ国家、ソビエト連邦
モンタージュを活用した『戦艦ポチョムキン』
先駆的なプロパガンダ・アニメ
前衛芸術家たちを使ったポスター
対外宣伝グラフ誌『ソ連邦建設』
プロパガンダだったロシア民謡「カチューシャ」
ゲッベルスの宣伝理論
二〇の言語で刊行されたグラフ誌『ジグナール』
英国人を引きつけたナチのプロパガンダ放送
ディズニーのプロパガンダ『総統の顔』
ロシアとウクライナのツイッター合戦……ほか

JP-eコード:78168008000015000040
出版社:イースト・プレス
コンテンツ公開日:2015年12月31日