出版社を探す

講談社現代新書

老いるということ

著:黒井千次

電子版

内容紹介

これまでにない長い老後を生きる時代が到来した現代、人は老いとどのように向き合えばいいのか。さりげない表現の中に現代日本人の老いを描く幸田文。島崎藤村が綴る老後の豊富さと老いることの難しさ。伊藤整が光を当てた老いの欲望と快楽。伊藤信吉が記す90代の老年詩集……。文学作品・映画・演劇に描かれたさまざまな老いの形をとおして、現代に生きる者にとっての<老い>の意味と可能性を追究する。

目次

はじめに 第1章 老いの長さ・老いる場所 第2章 古代ローマの老い──キケロー『老年について』をめぐって 第3章 二十世紀イギリスの老い──E・M・フォースター「老年について」の発想 第4章 老いの伝承──深沢七郎「楢山節考」の伝えるもの 第5章 老いと時間──「ドライビング・ミス・デイジー」の場合 第6章 老いの年齢──マルコム・カウリー『八十路から眺めれば』の示唆 第7章 老いの形──幸田文の随筆から 第8章 老いの現在・老いの過去──映画「八月の鯨」の表現するもの 第9章 老いと病──耕治人の晩年の三作より 第10章 老いの完了形と老いの進行形──芥川龍之介「老年」、太宰治『晩年』の視点 第11章 老いる意志──島崎藤村の短文から 第12章 老いと性──伊藤整『変容』の問題提起 第13章 老いの温もり──萩原朔太郎のエッセイと伊藤信吉の老年詩集から 第14章 老いのまとめ あとがき 引用・参考文献

JP-eコード:06A0000000000009300P
出版社:講談社
コンテンツ公開日:2017年11月24日