講談社学術文庫
イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む
著:宮本常一
電子版
内容紹介
日本観光文化研究所所長時代に行われた幕末・明治期の紀行文を読む講義のうち、昭和51年9月から52年3月まで全7回の『日本奥地紀行』の講義録。一英国人女性旅行家が目をとめた不思議な国「日本」の事象をきっかけに、その資料的価値、バードの視点の出色さを指摘するにとどまらず、著者自身の比類ない観察眼と聞き取り調査に裏打ちされた該博な見識が縦横無尽に紡ぎ出され、宮本民俗学の入門書ともなっている。(講談社学術文庫)
目次
穀物や果物が豊富で、地上の楽園のごとく、人びとは自由な生活を楽しみ、東洋の平和郷というべきだ(「置賜県雑録」より) 蚤の大群が襲来したために、私は携帯用の寝台に退却しなければならなかった 子どもたちは、きびしい労働の運命をうけついで世に生まれ、親たちと同じように、虫に喰われ、税金のために貧窮の生活を送るであろう 仕事もなく、本もなく、遊びもない。わびしく寒いところで、長い晩を震えながら過す。夜中になると、動物のように身体を寄せて暖をとる あらゆる種類のお面や人形、いろいろな姿に固めた砂糖、玩具、菓子類……
JP-eコード:0629222600100011000F
。出版社:講談社
。コンテンツ公開日:2014年05月23日。