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講談社学術文庫

試験と競争の学校史

著:斉藤利彦

電子版

内容紹介

私たちの国の学校は、なぜこれほど過剰に「試験」にとらわれてきたのか。著者は、画一的な「試験の実施」こそが、近代の日本に「学校」を普及させる動因だったという。夜を徹して行われる進級試験、衆人環視・戦慄畏縮の口頭試問、時に三割を超えた落第の恐怖。国民皆学実現の裏で、今に至る教育論争にも長い影を落とす「淘汰と競争」の起源を探る。(講談社学術文庫)

目次

はしがき 序章 競争と試験の状況から  1 諸外国からのまなざし  2 中学校時代の体験から  3 「試験準備に支配された教育制度」─「MISSION REPORT」から─  4 近代学校の創設期へ 第一章 試験の風景  1 学区取締の日記から─試験立会いの日々─  2 教育雑誌に見る試験と競争 第二章 試験制度の成立  1 「学制」の概要と理念  2 「学制」における試験制度の内容  3 各府県による多様な試験形態の成立  4 六種類の試験と二つの類型  5 「学制」後における試験制度の展開 第三章 試験制度の実際  1 頻繁に繰り返される試験  2 「大試験(卒業試験)」の実際と生徒たち  3 試験の方法と技術  4 試験問題と暗記注入の教授法  5 「比較試験」の実態 第四章 試験による淘汰と教育のひずみ  1 試験による落第  2 大量の不受験者の存在  3 中途退学と学校への恐怖・嫌悪  4 試験と競争のひずみ 第五章 仕掛けとしての試験─試験による競争の組織化─  1 近代学校の啓蒙装置  2 学事振興と「競争心」の利用  3 席次の競争  4 成績の公表と「観覧性」の技術 ほか

JP-eコード:0629204300100011000R
出版社:講談社
コンテンツ公開日:2014年11月28日