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講談社学術文庫

元禄文化 遊芸・悪所・芝居

著:守屋毅

電子版

内容紹介

十七世紀末、西鶴、近松、芭蕉、光琳、師宣らを輩出した元禄文化が花開く。文学、絵画、工芸のみならず、町人が主役となり、奢侈の風俗を生んだ。遊里に入り浸る新興商人、芸事に溺れ身を滅ぼす二代目、芝居に憂き身をやつす人々。生産と消費の外部にある第三の領域=「遊び」という視点から、太平の世の町人文化の深層に迫る。(講談社学術文庫)

目次

序 章 「町人」の時代──『日本永代蔵』の世界から──   町人の登場/「才覚」と「仕合せ」のめぐりあい/奢侈と「元禄風」/町人の生活倫理/不思議な誘惑──遊芸・悪所・芝居── 第一章 「遊芸」という行為  一 ものみな遊芸──遊芸の構図──   「諸師諸芸」の名簿/西鶴のえがいた町人の遊芸/近世文化の遊芸性/芸能者の変貌と「諸師」の誕生  二 「外聞」としての遊芸──芸事の機能──   都市と余暇/芸が身をたすける/人づきあいとしての遊芸/女性と遊芸/遊芸にもとめられたもの  三 遊芸をささえるもの──遊芸の周辺──   町家の成立と「座敷」/美術工芸品と遊芸/遊芸と出版文化  四 破滅をかけて──遊芸批判の背景──   「芸自慢」の危険性/『町人考見録』にみえる町人たち/二代目の遊芸/遊芸批判の系譜/遊芸の歴史的位置 第二章 「悪所」という観念  一 「悪所」という言葉   町人語としての「悪所」/「悪所」とその仲間たち/「悪所」と「悪性」/悪所・好色・浮世  二 遊里批判の論理   なぜ「悪所」なのか/遊里史のうえの元禄期/消費もしくは浪費の誘惑  三 虚偽と虚構 ほか

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出版社:講談社
コンテンツ公開日:2014年10月24日