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講談社現代新書

二つの「競争」―競争観をめぐる現代経済思想

著:井上義朗

電子版

内容紹介

本書は、はっきりと自覚しないままに用いている競争の意味を、経済学の観点から紐解いていこうとする試みです。競争論の変遷をたどりつつ、哲学的思想を参照しながら、同じ競争と訳される「コンペティション」と「エミュレーション」という二つの競争観をめぐる議論をたどります。競争という概念そのものをあらためて考えなおしてみることに、現代の競争をめぐる諸問題を解決するヒントが隠されているかもしれません。

目次

第一章 競争はよいものか、わるいものか  1 競争はなぜ求められるのか  2 競争はなぜ批判されるのか(1)─経験と直観から─  3 競争はなぜ批判されるのか(2)─メカニズムの観点から─  4 競争論は不毛か 第二章 伝統的な競争論─完全競争論を考える─  1 現代の競争論は、伝統的な競争論ではない  2 限界と平均  3 完全競争の世界 第三章 現代的な競争論─「淘汰」から「模倣」へ─  1 完全競争論への懐疑  2 「淘汰」としての競争論  3 「模倣」としての競争論  4 コンペティションとエミュレーション インタールード:プラトンと経済学 第四章 コンペティションとエミュレーション─アダム・スミスを再読する─  1 アダム・スミスと競争論  2 スミスとエミュレーション  3 スミスとコンペティション  4 なぜエミュレーションを警戒したのか 第五章 競争は誰のために  1 これまでの議論をふりかえって  2 完全競争論の復権?  3 競争はなんのために、そして誰のために

JP-eコード:0628817400100011000E
出版社:講談社
コンテンツ公開日:2012年11月02日