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講談社現代新書

経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ

著:佐伯啓思

電子版

内容紹介

私たちはいつまで誤った経済学を信じ続けるのか? いまだ収拾のつかないグローバル金融危機。これに対する各国の対応は、結局は対処療法に過ぎず、次のバブルを招来させるものでしかない。そして資本主義の危機を底で支えているのは、社会主義国の中国という喜劇的状況。なぜこのような状況に陥っているのか。筆者は経済学の根本、貨幣の根源にまで遡り、いまの過ちを論じる。(講談社現代新書)

目次

第1章 失われた二〇年──構造改革はなぜ失敗したのか  資本主義経済がおかしくなっている/自由貿易に対する誤った思い込み/日本の緊急問題はデフレと雇用不安/他 第2章 グローバル資本主義の危機──リーマン・ショックからEU危機へ  EU崩壊の危険性/経済のグローバリゼーションと各国の政治の矛盾が浮き彫りに/他 第3章 変容する資本主義──リスクを管理できない金融経済  「リスク」と「不確実性」/金融市場の発展が「ブラック・スワン」を作り出す/世界経済を支えた生産と消費のインバランス/他 第4章 「経済学」の犯罪──グローバル危機をもたらした市場中心主義  経済学の多様な学派/シカゴ学派の勝利/経済学の持つ「ヴィジョン」が見えなくなった/「科学としての経済学」の装いの成立/他 第5章 アダム・スミスを再考する──市場主義の源流にあるもの  市場主義経済学の基本モデル/アダム・スミスは「市場経済学の祖」なのか/スミスの生きた時代/なぜスミスは重商主義を批判したか/他 第6章 「国力」をめぐる経済学の争い──金融グローバリズムをめぐって ほか

JP-eコード:0628817100100011000U
出版社:講談社
コンテンツ公開日:2012年09月28日