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講談社選書メチエ

海の武士団 水軍と海賊のあいだ

著:黒嶋敏

電子版

内容紹介

「一所懸命」の語が象徴する、土地の支配を基盤とする武士とは異なった形態の武士団が中世にはあった。地場の海を「なわばり」とし、航行する船から通行料を徴収し、あるいは「海賊」として略奪する、「水軍」とも「海賊」ともつかぬような「勢力」。「海」側の視点から中世の始まりとともに出現した特異な「武士団」の興亡を描く、これまでにないユニークな日本中世史。(講談社選書メチエ)

目次

プロローグ 波の上から 湘南の海/内海と御厨/「海の武士団」/武士と海の親和性/網野善彦氏の海と「海を志向する武士」/他 第一章 港と武力と徳政 1 暴力の港  不運な「唐船」/寄船慣行/港で積み荷が濡れたら/妥協の方法/津料は関税か?/ナワバリと上乗/他 2 政治権力と関  関の乱立/経済関論と初穂論/港の光景(1)東の和賀江島/港の光景(2)西の兵庫津/津料の二類型と徴収担当者/他 3 そして徳政  ふたたび和賀江島から/御成敗式目/幕府と〈海の勢力〉/その伏線/徳政としての式目/往阿弥陀仏とは/他 第二章 ナワバリを越えて 1 北条氏権力の置き土産  南と北の「海の武士団」/その経済基盤/蝦夷の沙汰とは/蝦夷大乱のなかで/千竈氏の譲状/黒潮の領主?/他 2 〈海の勢力〉と手を結ぶ室町幕府  内乱のために/朝鮮側の証言/九州探題による海上警固/警固としての上乗/警固のリレー/山名氏と〈海の勢力〉/他 3 癒着の温床  警固の代償/守護の素顔/一色氏の場合/実力行使/南蛮船を襲え!/守護と〈海の勢力〉の同化 4 室町幕府と〈海の勢力〉の編成 ほか

JP-eコード:0625856200100011000A
出版社:講談社
コンテンツ公開日:2013年10月25日