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東と西 横光利一の旅愁

著:関川夏央

電子版

内容紹介

横光利一は昭和11年、半年にわたってヨーロッパを旅した。その経験をもとに、自らを投影した登場人物を配し、小説『旅愁』を書きはじめる。優柔不断な男と大胆な女が、ヨーロッパを舞台にすれ違う様は、西洋文明になじみ得ぬ横光の精神の現れであった。戦争の世になっても、横光は戦前の欧州に滞在した人々の社交を描き続けた。『旅愁』『欧州日記』を検証しつつ、横光の精神の軌跡を辿る。

目次

序章 「欧亜連絡」  1 洋上の俳句  2 「文化防衛」は可能か?  3 「フィクションを生活するのだ」  4 『旅愁』の登場人物  5 日本女性は美しいか  6 カフェをめぐる「生活」  7 パリの新世代日本人  8 俳句と「チロル」  9 矢代の逡巡  10 横光利一が不在だった東京  11 林芙美子と横光利一  12 林芙美子のシベリア鉄道  13 「ソビエト・ロシア」の印象  14 内地への帰還  15 庄内鶴岡行  16 昭和十一年初冬  17 「風采」について  18 「戦中」にえがく懐かしい「戦前」  19 統制経済下の「サロン」  20 昭和十九年の現実、昭和十二年の平和  21 『旅愁』の混迷  22 敗戦直前の青年たち  23 敗戦の夏  24 寒い秋  25 庄内降雪  26 旅愁の果て 終章 早逝  あとがき

JP-eコード:0621782800100011000K
出版社:講談社
コンテンツ公開日:2013年02月22日