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高齢化による年金、医療、介護へのニーズ、その給付費用の増大など、日本の社会保障制度における課題は少なくない。高齢社会という切り口で先進国の制度を比較検討するとともに、日本の社会保障の特徴や制度改革の展望を解説する。これからの社会保障制度を考えるための基本図書。

序章　高齢社会の社会保障（岩村正彦）

第I部　年金
第1章　フランスの年金制度――賦課方式における高齢化への対策と社会的公正（嵩さやか）
第2章　チリの年金制度――個人積立方式による年金制度とそれを支える２つの柱（任意・連帯）（島村暁代）
第3章　日本の年金制度――焦点は財政安定化から年金額低下対策へ（中益陽子）
小括　3か国の比較と日本の特徴（嵩さやか）

第II部　医療
第4章　フランスの医療制度――医療の自由を尊重しつつ保障の普遍化をめざす（稲森公嘉）
第5章　イギリスの医療制度――高齢社会における統合ケアを目指して（片桐由喜）
第6章　日本の医療制度――高齢期の医療保障（永野仁美）
小括　3か国の比較と日本の特徴（永野仁美）

第III部　介護
第7章　ドイツの介護制度――介護保険による介護とその影響（川久保寛）
第8章　スウェーデンの介護制度――普遍主義・脱家族主義の福祉制度とその変容（中野妙子）
第9章　日本の介護制度――社会保険制度による高齢者介護のニーズへの対応とその限界（笠木映里）
小括　3か国の比較と日本の特徴（中野妙子）

編：岩村　正彦
中央労働委員会会長、東京大学名誉教授

編：嵩　さやか
東北大学大学院法学研究科教授

編：中野　妙子
名古屋大学大学院法学研究科教授