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インターネットを武器にした<ゲリラ>

反グローバリズムとしてのサパティスタ運動

著:山本純一

紙版

内容紹介

メディアと言説分析の視点から、「インターネット戦争」でも知られるメキシコの〈サパティスタ国民解放軍〉に注目し、反グローバリズムとセルフ・ガバナンスを主張する彼らの戦略を検証します。
メキシコ社会の現在形を新しい切り口で考察した地域研究書。
ネットワーク社会における、戦場としてのサイバースペース論に及ぶ、画期的論考。

目次

プロローグ——EZLN、武装蜂起

序章 多くの顔をもつメキシコと顔のない<ゲリラ>
1 多くの顔をもつメキシコ
2 紛争の舞台になったチアパスとは
3 顔のない<ゲリラ>

第I部 インターネット戦争?
序論

第1章 インターネット戦争の背景
1 情報化時代の戦争とコンピュータの役割
2 情報戦としての(インター)ネット戦争
3 思想としてのインターネット
4 言説空間としてのインターネット
5 メキシコとチアパスにおけるネットワーク社会の発展
6 EZLNのメディア戦略とシンボルの活用

第2章 インターネット戦争の主役たち
1 EZLN関連サイトとメーリングリスト
2 アクシオン・サパティスタ
3 グローバル・エクスチェンジ
4 市民連絡組織
5 サパティスタ国民解放戦線
6 CIEPAC(共同体活動経済政治研究センター)
7 メキシコ大統領府
8 メキシコ内務省
9 Chiapas95

第3章 <戦場>になったインターネット
1 サン・アンドレス協定
2 憲法改正原案と政府「修正」案の比較
3 憲法改正原案と政府「再修正」案の比較
4 「第5ラカンドン密林宣言」と政府の反論

第4章 ネット外の戦争:低強度戦争
1 チアパスの軍事化・準軍事化
2 チアパスの低強度戦争と準軍事組織
3 低強度戦争の実例1:アクテアル村虐殺事件
4 低強度戦争の実例2:ラス・アベッハスの難民生活
5 NGOの力


第Ⅱ部 サパティスタの闘争と言説の変容
序論

第5章 テクスト分析
1 分析対象テクスト
2 分析技法
3 定量分析
4 定性分析

第6章 言説分析
1 各宣言の概要と闘争戦略の変化
2 「ラカンドン密林宣言」「ラ・レアリダー宣言」と市民社会
3 マルコス副司令官が語るEZLNとサパティスモの変容
4 サパティスタの言説がなぜ世界の人びとを動かしたのか?

第7章 サパティスタ闘争・言説の<ポストモダン>性
1 バーバック vs. ニュージェント
2 サパティスタ闘争・言説のモダン性とポストモダン性
3 反グローバリズムとしてのサパティスモ

「エピローグ」——闘争は続く

資料1 チアパス関連年表(1492年〜1993年)
資料2 サパティスタ国民解放軍(EZLN)関連年表(1968年〜2001年)
資料3 ラファエル・セバスティアン・ギジェン・ビセンテ(マルコス副司令官?)
の経歴(1957年〜94年)
資料4 サパティスタ関連主要ウェブサイト&メーリングリスト集

ISBN:9784766409529
出版社:慶應義塾大学出版会
ページ数:380ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2002年09月
発売日:2002年09月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH