世界浪曼派
ソヴィエト・ファンタスチカの歴史
著:ルスタム・カーツ
訳:梅村 博昭
紙版
内容紹介
「 月の科学的・軍事的利用は、プロレタリア国家の今後の課題のひとつである」──スターリン
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革命後のソ連文学史は、ファンタスチカ(SF+幻想文学)による権力闘争の歴史だった! 粛清、雪どけ、そしてペレストロイカまで。本国ロシアでは社会学者や報道関係者が「事実」として引用した、教科書にぜったい載ってはならない反革命的メタメタフィクション、まさかの日本語版刊行!
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・マヤコフスキーは文学グループ〈赤い月面人〉の同人だった。
・スターリンが愛した言葉は「月を制するものが全世界を制する」。
・ソルジェニーツィンの『イワン・デニーソヴィッチ』は月面開発の物語。
・1968 年の「プラハの春」はアポロ計画がきっかけで勃発した。
・『雨月物語』の上田秋成がソ連の「要注意人物」に認定される。
……そのほか、見てきたような〈世紀の発見〉を多数収録!
目次
序
第1章 〈赤い月面人〉の離陸と墜落(1921年〜1928年)
第2章 ソロフキのカタパルト(1929年〜1932年)
第3章 「では同志ウェルズに発言願います……」(1933年〜1936年)
第4章 内なる敵、外なる敵(1937年〜1945年)
第5章 世界的優位をめぐるたたかいとその破滅的帰結(1945年〜1953年)
第6章 霧の中より月出でて……(1954年〜1968年)
第7章 ポケットからナイフを引き抜いた(1968年)
第8章 審理が始まる(1969年〜1978年)
第9章 『ルナリウム』とその周辺(1979年〜1984年)
第10章 エピローグ(1985年〜1993年)
参考文献一覧
月への道半ばで、あるいはカーツ博士の馬のボリバル
――編者あとがき(ロマン・アルビトマン)
訳者解説(梅村博昭)
人名索引