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青弓社ライブラリー 92

歴史修正主義とサブカルチャー

90年代保守言説のメディア文化

著:倉橋 耕平

紙版

内容紹介

なぜ歴史修正主義(歴史否定論)を支持するのか――。自己啓発書や雑誌、マンガ、新聞報道などを対象に、1990年代の保守言説とメディア文化の結び付きをアマチュアリズムと参加型文化の視点からあぶり出す。現代の右傾化の源流に斬り込む社会学の成果。

目次

はじめに

序 章 なぜ「メディア」を問うのか
 1 保守言説の広がり
 2 これまでの調査研究でわかっていること
 3 本書の対象――歴史修正主義と一九九〇年代
 4 「何が語られたか」ではなく「どこで/どのようにして語られたか」
 5 本書のアプローチ――コンバージェンス文化
 6 本書の構成

第1章 歴史修正主義を取り巻く政治とメディア体制──アマチュアリズムとメディア市場
 1 歴史修正主義の特徴
 2 歴史修正主義はどこで/誰が展開しているのか
 3 教科書をめぐる政治運動と右派メディア知識人
 4 歴史修正主義をめぐるメディア市場

第2章 「歴史」を「ディベート」する──教育学と自己啓発メディア
 1 「自由主義史観」と「ディベート」
 2 「歴史」を「ディベート」する
 3 メディアでのディベート表現の展開

第3章 「保守論壇」の変容と読者の教育──顕在化する論壇への参加者
 1 「論壇」の輪郭と「論壇」の問い直し
 2 読者の「教育」――読者コーナーのメディア論

第4章 「慰安婦」問題とマンガ──『新・ゴーマニズム宣言』のメディア論
 1 これまで小林よしのりはどう語られてきたか――先行研究と本書のアプローチの違い
 2 「慰安婦」問題を否定する保守言説の構築とそのメディア特性
 3 「読者」の扱いと言説空間の構築

第5章 メディア間対立を作る形式──〈性奴隷〉と新聞言説をめぐって
 1 〈性奴隷〉の初出をめぐって
 2 主要新聞報道で〈sex slaves〉はどのように用いられたか
 3 批判の「形式」へのこだわり

終 章 コンバージェンス文化の萌芽と現代──アマチュアリズムの行方
 1 コンバージェンス文化の萌芽
 2 コンバージェンス文化の現在

おわりに

著者略歴

著:倉橋 耕平
1982年生まれ。関西大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。立命館大学ほか非常勤講師。専攻は社会学・メディア文化論・ジェンダー論。共編著に『ジェンダーとセクシュアリティ――現代社会に育つまなざし』(昭和堂)、共著に『現代フェミニズムのエシックス』(青弓社)など。

ISBN:9784787234322
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2018年02月
発売日:2018年02月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ