現代説経集
著:姜 信子
紙版
内容紹介
説経節から浪曲まで、〈声〉に担われた語り物の流れを現代へとつなぐ、創作「水の物語」。
一引き引けば千僧供養、二引き引けば万僧供養……説経「小栗判官」「さんせう太夫」「愛護の若」、八百比丘尼伝説、そして近代の浪曲とパンソリへ。
声は命を乗せて、死者たちへ、そして未来へと流れる。水は自他の境も、国境も越える。
私は水のアナーキスト、虐げられ、虐殺された無数の死者たちの魂をカタル者、言語と制度の檻を破って、命の流れを明日へと解き放つ巫女。
【挿画・坂本大三郎】
目次
はじまりはじまり 狂っちまえよ、と影が言う
なもあみだんぶーさんせうだゆう
こよなく愛する 「説経 愛護の若」異聞
恨九百九十九年
旅するカタリ 八百比丘尼の話
かもめ組創成記 千年の語りの道をゆく
─┼放浪かもめと澤村豊子──
かもめ組資料 上演台本