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絵画検討会2016

記録と考察、はじめの発言

編著:高田 マル
他著:TYM344
他著:林香苗武

紙版

内容紹介

今、絵画を描く意味とは何か?
総勢17名の作家・批評家による最新の絵画論!

2016年夏、東京都豊島区のTURNER GALLERYにて、呼びかけ人の高田マルによって企画されたグループ展「絵画検討会2016」が開催されました。
展覧会名にあるとおり、同展は「絵画」をテーマとし、5人の作家がそれぞれの「絵画」へのアプローチを提示。会期中にはギャラリー内や出品作家のアトリエなどでトークイベントなどが行われ、多くの議論を呼びました。そこには、絵画への根強いニーズ、そして近年再び注目を集めるモダニズムへの関心などが背景にあるのでしょう。会期終了後も、美術誌へのレビュー掲載やSNS上における反響などを呼び、結果として、多くの作家、批評家を巻き込みながら展開してきました。
本書は、「絵画検討会2016」の記録誌の位置づけから、作品図版を豊富に収録(全作品リスト含む)。加えて、作家の発言を収録することにも力を入れています。「絵画検討会2016」では、展覧会のドキュメントを残すという意図から、会期中のトークのみならず、企画段階でのミーティング記録のすべてが文字化され、記録されてきました。本書では、そうした厖大な情報の中から、作家の発言を編み直し、また作家による書き下ろしを加えることで、5人の作家がどのようなスタンスで「絵画」に取り組んでいるのかを伝えます。
また、寄稿者による論考やトークや対話も読みどころのひとつです。テーマは、「絵画検討会について」「展覧会評」「絵画論」と多様で、現在の絵画を考察する意味でも必読の論考が揃いました。
現代における絵画の意味をいま一度、考え直し、深めていく「はじめての発言」として、広く読んでもらいたい1冊です。

目次

INDEX
はじめに

作品
TYM344|高田マル|林香苗武|ムカイヤマ達也|本山ゆかり
3階展示風景|展示作品一覧

寄稿
Ⅰ. 絵画検討会とは?
Taxxaka|なぜ、私たちは「絵画」を「検討」せざるを得ないのか
野田尚稔|もう一度見るために ― 絵画を検討する
gnck|芸術の公共圏
浦野玄馬|絵画の検討の検討について、あるいはプロジェクトされる絵画

Ⅱ. 作品評
千葉成夫|絵画への入り方―「 絵画検討会2016」展を見て

Ⅲ. 絵画論
土屋誠一|「デスクトップ型絵画」理論構築のための序論
都築 潤|「絵一般」について

「絵画検討会2016」に関する出来事一覧
石山 律 |(零れ落ちないための)覚え書き

発言
TYM344|高田マル|林香苗武|ムカイヤマ達也|本山ゆかり
追加質問とその回答

反応
Talk 都築潤×高田マル|描き(絵)とは?
Talk 内田百合香×林香苗武|絵画
Dialogue 黒瀬陽平×TYM344|絵画検討会とフォーマリズム絵画
Review 沢山 遼|構造と貧困

プロフィール
あとがき

著者略歴

編著:高田 マル
高田マル |Maru Takada
1987年生まれ。美術作家。日本女子大学文学部卒業。2012~2014年度、美学校にて複数の講座を受講。制作を通して「描き」とは何か考えている。絵を描いたり、消したりする。主な個展に「感情確認」(KOMAGOME 1-14 cas、2015年)、「船と人」(HIGURE 17-15 cas、2015年)。
他著:TYM344
TYM344 |ティー・ワイ・エム・スリー・フォー・フォー
美術家。「絵を描くこととは、決定された画像をつくること」として、道路標識から秩父連山まであらゆる不動物を手本にして、二値化された非・動画的な絵画を目指す。主な個展に「サブスタンス」(新宿眼科画廊、2015年)、「木の実は本へO2」(カタ/コンベ、2015年)。
他著:林香苗武
林香苗武 |HayashiKanaeTakeshi
1991年長野県生まれ。美術家。2011年より美術表現における速度を主題とし、制作活動を続けている。2015年に速度主義宣言を発表。主な個展に「ALLEZ」(cafe 104.5、2016年)、「大木と巨大キツツキ」(Clear Edition & Gallery、2015年)、「透明高速」(Space Wunderkammer、2014年)。主なグループ展に「ゲシュタルトクライス」(HAGISO、2015年)、「不安すぎるライン」(Tambourin Gallery、2015年)。

ISBN:9784908122064
出版社:アートダイバー
判型:4-6
ページ数:164ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2017年03月
発売日:2017年03月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA